ビッグバンから宇宙をつくるシミュレーター
サイコロを振ると、宇宙の性質(物質の量・ダークエネルギーの量・空間の曲がり・ゆらぎの大きさ)がランダムに決まり、ビッグバンから終わりまでを計算します。結論から言うと、値によっては星がひとつもできない宇宙や、星が密集しすぎた宇宙になります。SEADICEが決めたランダムの範囲で1000個の宇宙を試すと、星ができない宇宙が約4分の1、星が密集しすぎる宇宙が約4分の1、星と銀河ができる宇宙が半分ほどでした(範囲を変えれば割合も変わります)。私たちの宇宙の値は、星ができる範囲に入っています。ただし、どんな値の宇宙が「ありえる」のかは誰にもわかっていません(ランダムの範囲はSEADICEが決めたものです)。
時刻 -
この宇宙の性質
| やさしい名前 | 私たちの宇宙との比 |
|---|
ランダムの範囲はSEADICEが決めたもので、実際にどんな値がありえるのか(そもそも他の宇宙があるのか)はわかっていません。宇宙番号
年表
できごとを押すと、その時刻に飛びます。ラベルは確かさ: わかっている有力な仮説わかっていない計算の目安
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よくある質問
- 宇宙の値が少し違ったら、星はできないの?
- 値によってはできません。このシミュレーターで1000個の宇宙を試すと、約4分の1で星ができませんでした。ダークエネルギーが強すぎると物質が集まる前に宇宙が広がりすぎ、ゆらぎが小さすぎるとガスが集まりません(Weinberg 1987、Tegmark & Rees 1998)。ただし「どの値がどれくらい起こりやすいか」はわかっていないので、割合そのものに意味があるわけではありません。
- 私たちの宇宙の値は本当なの?
- 「私たちの宇宙」の値は、宇宙背景放射の観測(Planck 2018)から求めた値です。このシミュレーターで計算すると、年齢は約138億年、晴れ上がりは約38万年後になり、観測から求めた値とよく合います。一方、最初の星と星づくりのピークの時刻は、観測に合わせて決めた目安なので、合うのは当然で、確かめたことにはなりません。
- 生命が生まれる宇宙かどうかもわかる?
- わかりません。生命が生まれる条件はわかっていないので、このシミュレーターは生命について判定しません。比べられるのは「星ができてから、太陽系ができるまでにかかった時間(約90億年)」だけです。
このシミュレーターの仕組みと限界
- 宇宙の膨張は、物質・ダークエネルギー・放射(光)・空間の曲がりの量から計算しています(フリードマン方程式)。私たちの宇宙の値で計算すると、年齢は約138億年になります。
- 物質のかたまりの育ち方は「線形成長」という、ゆらぎが小さいときの計算です。実際の銀河づくりはもっと複雑です。
- 「最初の星」と「星づくりのピーク」の時刻は、私たちの宇宙で観測や計算の目安(最初の星は赤方偏移 z≈20、ピークは z≈1.9)に合うように係数を決め、その係数をほかの宇宙にも当てはめた目安です。ガスの冷え方・原子の量(η)の違いなどは入っていません。
- つぶれる宇宙では、膨張が止まるまでの星づくりだけを見ています。つぶれていく途中のことは計算していません。
- 宇宙の網の図は、2次元の平面で、粒子をゆらぎの向きに動かす「ゼルドビッチ近似」(Zel'dovich 1970)で描いています。すじが太くなりすぎるので、途中で育つのを止めて表示しています。図の明るさは粒子の数だけで、光や星を描いたものではありません。
- 元素の割合は、ηが4〜8の範囲だけで使える近似式(Steigman 2007)です。
- ゆらぎの大きさ Q の目安(Q<10-6 だと星や銀河がほとんどできない、Q>10-4 だと星が密集しすぎる)は Tegmark & Rees 1998 の見積もりです。
- ランダムの範囲(物質は0.05〜20倍、ダークエネルギーは0.01〜1000倍か、マイナス、など)はSEADICEが決めました。実際にどんな値がありえるのかはわかっていません。
出典
- Planck Collaboration (2020). Planck 2018 results. VI. Cosmological parameters. Astronomy & Astrophysics, 641, A6. doi:10.1051/0004-6361/201833910
- Steigman, G. (2007). Primordial Nucleosynthesis in the Precision Cosmology Era. Annual Review of Nuclear and Particle Science, 57, 463. doi:10.1146/annurev.nucl.56.080805.140437
- Guth, A. H. (1981). Inflationary universe: A possible solution to the horizon and flatness problems. Physical Review D, 23, 347. doi:10.1103/PhysRevD.23.347
- Bromm, V., & Larson, R. B. (2004). The First Stars. Annual Review of Astronomy and Astrophysics, 42, 79. doi:10.1146/annurev.astro.42.053102.134034
- Madau, P., & Dickinson, M. (2014). Cosmic Star-Formation History. Annual Review of Astronomy and Astrophysics, 52, 415. doi:10.1146/annurev-astro-081811-125615
- Riess, A. G., et al. (1998). Observational Evidence from Supernovae for an Accelerating Universe and a Cosmological Constant. The Astronomical Journal, 116, 1009. doi:10.1086/300499
- Perlmutter, S., et al. (1999). Measurements of Ω and Λ from 42 High-Redshift Supernovae. The Astrophysical Journal, 517, 565. doi:10.1086/307221
- Tegmark, M., & Rees, M. J. (1998). Why Is the Cosmic Microwave Background Fluctuation Level 10-5? The Astrophysical Journal, 499, 526. doi:10.1086/305673
- Weinberg, S. (1987). Anthropic Bound on the Cosmological Constant. Physical Review Letters, 59, 2607. doi:10.1103/PhysRevLett.59.2607
- Connelly, J. N., et al. (2012). The Absolute Chronology and Thermal Processing of Solids in the Solar Protoplanetary Disk. Science, 338, 651. doi:10.1126/science.1226919
- Zel'dovich, Ya. B. (1970). Gravitational instability: An approximate theory for large density perturbations. Astronomy & Astrophysics, 5, 84. ADS
続けて使える道具
- 銀河と星の一生シミュレーター(ビッグバンから星と惑星が生まれて消えるまで)
- 惑星と生命の一生シミュレーター(惑星に生まれ、生き物が生まれて滅ぶまで)
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最終更新: 2026年10月20日