系外惑星と生命

いちばん近い系外惑星はどこか、プロキシマ・ケンタウリb

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ハッブル宇宙望遠鏡が写したケンタウルス座アルファ星AとB(プロキシマ・ケンタウリの仲間の星)
Photo: NASA Goddard Space Flight Center from Greenbelt, MD, USA / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

太陽系の外でいちばん近い惑星は、約4.24光年先の「プロキシマ・ケンタウリb」です。太陽にいちばん近い星プロキシマ・ケンタウリを、約11.2日で1周しています。表面で水が液体でいられるかもしれない距離にありますが、大気があるのか、生命が住める場所なのかは、まだわかっていません。

3行でわかる

  1. NASAの系外惑星の全件データ(2026年10月20日取得)を距離の近い順に並べると、いちばん近いのはプロキシマ・ケンタウリを回るbとdで、約4.24光年。
  2. bは2016年に見つかった。重さは地球の約1.06倍以上で、約11.2日で1周する。星の前を横切らないため、大きさは測れていない。
  3. bは水が液体でいられるかもしれない範囲を回るが、大気があるかもまだ確かめられていない。生命がいるかはわかっていない。

01 わかっていることいちばん近い系外惑星はどれ?

プロキシマ・ケンタウリbです。太陽にいちばん近い星プロキシマ・ケンタウリ(約4.24光年)を回っています。同じ星を回る小さな惑星dも、同じ距離にあります。

プロキシマ・ケンタウリは、太陽の約12%の重さしかない赤い小さな星です。表面の温度は約3,050K(約2,800℃)で、明るさは太陽の約0.1%しかありません[2]。

この星のまわりで、2016年にプロキシマ・ケンタウリbが見つかりました[2]。星から約0.05天文単位(地球と太陽の距離を1とした長さ)の近さを回っています。星が暗いので、この近さでも表面の水が液体でいられるかもしれない温度になります。

SEADICEがNASA Exoplanet Archiveの全件表(6,451件、2026年10月20日取得)を距離の近い順に並べると、上位は次のとおりでした[1]。距離がわかっていない28件は除いています。全件は系外惑星 全6,451件の一覧で近い順に並べ替えられます。

星の名前距離確認された惑星
プロキシマ・ケンタウリ約4.24光年2個(b・d)
バーナード星約5.96光年4個(b〜e)
エリダヌス座イプシロン星約10.4光年1個(b)
GJ 887約10.7光年4個(b〜e)
ロス128約11.0光年1個(b)

距離はアーカイブのパーセクの値に3.26をかけて光年にしました。上位5つの星は、どれも視線速度法(星のふらつきを測る方法)で惑星が見つかっています[1]。見つけ方の全体像は太陽系の外の惑星はいくつ見つかっているのかにまとめています。

02 どうやってわかったのか見えない惑星を、どうやって見つけたの?

惑星に引っぱられて星がわずかに近づいたり遠ざかったりする動きを、光の色のずれで測りました。複数の観測装置で同じ周期のふらつきが確かめられています。

わかっているAnglada-Escudéら(2016年、Nature)[2]

プロキシマ・ケンタウリが約11.2日の周期でふらついていることを見つけました。重さが地球の1.3倍以上の惑星に引っぱられていると考えると説明できました。

どうやって: 視線速度法です。チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の観測装置などで、星の光の色のずれを測りました。この方法でわかるのは重さの下限です。

わかっているFariaら(2022年、Astronomy & Astrophysics)[3]

より精密な装置ESPRESSOの114回の観測で、bの重さの下限を地球の1.07倍に絞り込みました。さらに5.12日周期の小さな信号を見つけ、重さが地球の0.26倍以上の惑星dの候補として報告しました。

どうやって: 星の自転や黒点による見かけのふらつきを、惑星の信号と分けて計算しました。dは当時「候補」とされていました。

わかっているSuárez Mascareñoら(2025年、Astronomy & Astrophysics)[4]

赤外線の装置NIRPSでもbの信号がとらえられ、性質はこれまでの観測と一致しました。ほかの観測と合わせて、dの存在も確かめられたと報告しています。bの重さの下限は地球の約1.055倍、dは約0.26倍です。

どうやって: 159夜にわたり420本のスペクトルを取りました。以前に報告された約1,900日周期の惑星cの信号は、決定的な証拠が得られませんでした。

有力な仮説Ribasら(2016年、Astronomy & Astrophysics)[5]

bが受ける強い紫外線(極端紫外線)は地球の約30倍、X線は約250倍と見積もりました。自転は、いつも同じ面を星に向けているか、2周するあいだに3回自転するかのどちらかと考えられるとしています。

どうやって: 星の光の性質から計算しました。それでも水をすべて失うとは限らず、「住める可能性のある惑星の候補」と結論しています。

有力な仮説Howardら(2018年、The Astrophysical Journal Letters)[6]

2016年3月、プロキシマ・ケンタウリが一時的に約68倍明るくなる巨大なフレア(星の表面の爆発)を観測しました。こうしたフレアは年に5回以上起きると見積もりました。

どうやって: 空を見張る小型望遠鏡の網Evryscopeで観測しました。地球のような大気だと、くり返すフレアでオゾンが5年で90%減るという計算も示しています。計算上の話で、bに実際にオゾンがあるかはわかっていません。

03 数字と例えでいうとプロキシマ・ケンタウリbは、どれくらい近くて、どんな惑星?

光でも約4.24年かかる距離です。星のすぐそばを約11日で1周し、受ける光は地球の約6割です。重さは地球に近いと考えられますが、大きさはわかっていません。

項目値身近な例えでいうと
地球からの距離約4.24光年[1]時速100キロの車で走り続けると約4,600万年(計算)
1周にかかる日数約11.2日[1][2]地球の1年のあいだに約33回まわる(計算)
星からの距離約0.048天文単位[1]約725万キロ。水星と太陽の距離の約8分の1(計算)
受ける星の光地球の約0.64倍[1]地球が太陽から受ける光の6割ほど
重さ(下限)地球の約1.06倍以上[4]地球とほぼ同じか、それより重い
惑星dの重さ(下限)地球の約0.26倍以上[3][4]火星(地球の約0.11倍)の2倍あまり(計算)

計算の前提です。1光年を約9.46兆キロとして、4.24光年を約40兆キロとしました。それを時速100キロで割り、1年を8,766時間として年に直しました。1天文単位は約1億4,960万キロ、水星と太陽の距離は約0.387天文単位としています。

重さの下限が「約1.06倍」と「1.07倍」の2つ出てくるのは、出典の観測が違うためです。1.07倍はFariaら(2022年)のESPRESSOの観測、約1.06倍(1.055倍)はNIRPSとHARPSなどを合わせた2025年の値で、どちらも誤差の範囲で重なります[3][4]。

アーカイブの表には半径「地球の約1.02倍」も入っています。ただしこれは重さから推定した値で、測った値ではありません[1]。惑星の大きさや星からの距離を変えると何が起きるかは、惑星と生命の一生シミュレーターで試せます。

04 まだわかっていないことプロキシマ・ケンタウリbについて、まだ謎なのは?

大きさ、本当の重さ、大気の有無は、まだわかっていません。生命がいるかどうかも、確かめる手がかりはまだありません。

05関連する記事

06よくある質問

いちばん近い系外惑星はどれ?

太陽にいちばん近い星プロキシマ・ケンタウリを回るプロキシマ・ケンタウリbです。距離は約4.24光年で、2016年に見つかりました。同じ星を回るより小さな惑星dも、同じ距離にあります。

プロキシマ・ケンタウリbに生命はいるの?

わかっていません。表面で水が液体でいられるかもしれない距離を回っていますが、大気があるかどうかもまだ確かめられていません。星の強いフレアが大気や生命に厳しい環境をつくる可能性も指摘されています。

プロキシマ・ケンタウリbは地球と同じくらいの大きさ?

大きさはまだ測れていません。星の前を横切らないため、トランジット法で大きさを測れないからです。わかっているのは重さの下限で、地球の約1.06倍以上です。

プロキシマ・ケンタウリbまで行くのに何年かかる?

光の速さでも約4.24年かかります。時速100キロの車で走り続けられたとすると、約4,600万年かかる計算です(約4.24光年を約40兆キロとして計算)。

出典

  1. NASA Exoplanet Archive. Planetary Systems Composite Parameters(全件データ、2026年10月20日取得). https://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/
  2. Anglada-Escudé, G., Amado, P. J., Barnes, J., et al. (2016). A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri. Nature 536, 437–440. https://doi.org/10.1038/nature19106
  3. Faria, J. P., Suárez Mascareño, A., Figueira, P., et al. (2022). A candidate short-period sub-Earth orbiting Proxima Centauri. Astronomy & Astrophysics 658, A115. https://doi.org/10.1051/0004-6361/202142337
  4. Suárez Mascareño, A., Artigau, É., Mignon, L., et al. (2025). Diving into the planetary system of Proxima with NIRPS. Astronomy & Astrophysics 700, A11. https://doi.org/10.1051/0004-6361/202553728
  5. Ribas, I., Bolmont, E., Selsis, F., et al. (2016). The habitability of Proxima Centauri b. I. Irradiation, rotation and volatile inventory from formation to the present. Astronomy & Astrophysics 596, A111. https://doi.org/10.1051/0004-6361/201629576
  6. Howard, W. S., Tilley, M. A., Corbett, H., et al. (2018). The First Naked-eye Superflare Detected from Proxima Centauri. The Astrophysical Journal Letters 860, L30. https://doi.org/10.3847/2041-8213/aacaf3
  7. Beichman, C., et al. (2025). Worlds Next Door: A Candidate Giant Planet Imaged in the Habitable Zone of α Centauri A. I. Observations, Orbital and Physical Properties, and Exozodi Upper Limits. The Astrophysical Journal Letters 989, L22. https://doi.org/10.3847/2041-8213/adf53f