系外惑星と生命

プロキシマbまで何年かかるのか、ボイジャーや光の帆の場合

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ケンタウルス座のアルファ星・ベータ星とプロキシマ・ケンタウリ
Photo: Skatebiker / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

太陽系にいちばん近い系外惑星プロキシマ・ケンタウリbまでは、約4.24光年あります。光でも4年あまりかかる距離です。人が作ったもので最も遠くまで行ったボイジャー1号の速さで向かうと、約7万5000年かかる計算になります。小さな探査機を光で押して約20年で届ける構想もありますが、まだ技術を研究している段階です。

3行でわかる

  1. プロキシマbまでは約4.24光年(約40兆km)。NASAの系外惑星データの距離から計算した。
  2. ボイジャー1号の速さ(秒速約16.9km)なら約7万5000年。太陽のそばで最速を記録した探査機の速さでも約6,600年かかる(加速・減速や向きは考えない計算)。
  3. レーザーで光の帆を押し、光の速さの20%ほどで飛ばす構想「ブレイクスルー・スターショット」なら約21年の計算。ただし公式も、難しい技術の課題が多く残るとしている。

01 わかっていることプロキシマbまでは、どれくらい遠いの?

約4.24光年、km にすると約40兆kmです。光でも約4.24年、電波で「こんにちは」と送っても、届くまで4年あまりかかります。

プロキシマ・ケンタウリbは、太陽にいちばん近い星プロキシマ・ケンタウリを回る惑星です。2016年に、星のふらつきを測る方法で見つかりました。約11.2日で1周し、重さは地球の1.3倍以上です[2]。

NASA Exoplanet Archiveの全件データ(2026年10月20日取得)では、この星までの距離は1.30119パーセクです[1]。1パーセクは約3.26光年なので、約4.24光年になります(計算)。この惑星そのものについてはいちばん近い系外惑星で、近い順の一覧は系外惑星 全6,451件の一覧で見られます。

02 どうやってわかったのかボイジャーや光の帆の速さは、何をもとにしているの?

ボイジャーとパーカー・ソーラー・プローブは、NASAが測った実際の速さです。光の帆の速さは、計画の設計の目標で、まだ実際に飛んだものではありません。

わかっているNASA JPL(2026年)、Gurnettら(2013年、Science)[3][4][5]

ボイジャー1号は、太陽に対して秒速約16.9kmで進んでいます(2026年10月20日)。2012年に、太陽から吹き出すガスが届く範囲の外(星間空間)に出ました。

どうやって: 速さはNASA JPLの軌道計算システムから取り出した値です。星間空間に出たことは、まわりのガスの濃さを探査機がその場で測って確かめられました。くわしくはボイジャーは今どこにいるのかにあります。

わかっているNASA(2017年)[6]

ボイジャー1号は、プロキシマ・ケンタウリの方には向かっていません。約4万年後に、きりん座の星グリーゼ445から1.6光年のところを通ると見積もられています。

どうやって: ハッブル宇宙望遠鏡で、ボイジャーの進む先にある星の動きを測り、通りすぎる位置を計算しました。

わかっているNASA(2024年)[7]

パーカー・ソーラー・プローブは2024年12月24日、太陽に最も近づいたときに時速約43万マイル(秒速約192km)を出しました。人が作ったもので最も速い記録です。

どうやって: 太陽の重力で落ちていくように近づくことで速さを得ています。太陽から離れると遅くなるので、この速さで太陽系の外へは行けません。

わかっていないブレイクスルー・スターショット、Parkin(2018年、Acta Astronautica)[8][9]

地上の強いレーザーで、帆をつけたとても軽い探査機を加速し、アルファ・ケンタウリへ打ち上げから20年あまりで届ける構想です。設計の計算では、直径約4.1mの帆を約9分で光の速さの20%まで加速します。

どうやって: 実際に飛ばしたものではなく、計算で設計を見積もったものです。この計算では、地上のレーザー設備だけで約80億ドルかかるとされました。公式は「次の世代のうちの打ち上げ」の土台を作ることをめざすとしています。

03 数字と例えでいうと乗り物ごとに、何年かかるの?

光なら約4.24年、光の帆の設計どおりなら約21年、ボイジャー1号なら約7万5000年です。新幹線の速さでは約1500万年かかります。

乗り物速さプロキシマbまで(計算)
光・電波秒速約30万km約4.24年
光の帆(設計の目標)光の速さの20%[9]約21年
光の帆(公式ページの「最大で時速1億マイル」)秒速約4万5000km(光の約15%)[8]約28年
パーカー・ソーラー・プローブの最高速度秒速約192km[7]約6,600年
ボイジャー1号秒速約16.9km[3]約7万5000年。1世代25年として約3,000世代
新幹線時速300km約1500万年

計算は、距離約40.15兆km(1.30119パーセク)を速さで割り、1年を約3156万秒としました。どれも「最初からその速さで、まっすぐ進み続けた」場合で、加速・減速や向きは考えていません。1億マイルは約1億6093万kmです。

着いたあとも、写真を電波で送ると地球に届くまでに約4.24年かかります。光の帆の設計どおりなら、打ち上げから写真が届くまで約25年です(21年+4.24年)。

04 まだわかっていないことプロキシマbへの旅で、まだわからないことは?

光の帆で星まで飛ぶ技術が実現できるかは、まだわかっていません。行き先のプロキシマbも、大きさや大気があるかが確かめられていません。

遠くの惑星の空気を調べる方法は系外惑星の大気から何がわかるのか、プロキシマの方向から来た電波の候補の話は宇宙人からの信号は届いているのかにあります。

05関連する記事

06よくある質問

プロキシマbまで何年かかる?

乗り物の速さで大きく変わります。距離は約4.24光年(約40兆km)で、光でも約4.24年かかります。ボイジャー1号の速さ(秒速約16.9km)なら約7万5000年、光の速さの20%まで加速する光の帆の構想なら約21年の計算です(加速と減速の時間は考えない計算)。

ボイジャー1号はプロキシマbに向かっている?

向かっていません。NASAによると、ボイジャー1号は約4万年後に、きりん座の星グリーゼ445から1.6光年のところを通ります。プロキシマ・ケンタウリとは別の方向です。

ブレイクスルー・スターショットとは?

地上から強いレーザーを当てて、数メートルの光の帆をつけた小さな探査機を、光の速さの20%ほどまで加速する構想です。アルファ・ケンタウリへ打ち上げから20年あまりで届けることをめざしています。公式も、解くべき難しい技術の課題が多く残るとしており、打ち上げの日は決まっていません。

いちばん速い探査機なら何年でプロキシマbに着く?

NASAのパーカー・ソーラー・プローブは2024年12月24日、太陽のそばで時速約43万マイル(秒速約192km)を出しました。この速さのまま進めたとしても約6,600年かかります。ただしこの速さは太陽に近づいたときだけのもので、太陽系の外へ出ていく速さではありません。

出典

  1. NASA Exoplanet Archive. Planetary Systems Composite Parameters(Proxima Cen b、全件データ、2026年10月20日取得). https://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/
  2. Anglada-Escudé, G. et al. (2016). A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri. Nature 536, 437–440. https://doi.org/10.1038/nature19106
  3. NASA JPL. Horizons System(Voyager 1: -31、2026年10月20日0時UTの速さ). https://ssd.jpl.nasa.gov/horizons/
  4. NASA. Voyager 1. https://science.nasa.gov/mission/voyager/voyager-1/
  5. Gurnett, D. A., Kurth, W. S., Burlaga, L. F., Ness, N. F. (2013). In Situ Observations of Interstellar Plasma with Voyager 1. Science 341, 1489–1492. https://doi.org/10.1126/science.1241681
  6. NASA (2017). Hubble Provides Interstellar Road Map for Voyagers' Galactic Trek(2017年1月6日). https://science.nasa.gov/missions/hubble/hubble-provides-interstellar-road-map-for-voyagers-galactic-trek/
  7. NASA (2024). NASA's Parker Solar Probe Makes History With Closest Pass to Sun. https://science.nasa.gov/science-research/heliophysics/nasas-parker-solar-probe-makes-history-with-closest-pass-to-sun/
  8. Breakthrough Initiatives. Breakthrough Starshot(2026年10月20日確認). https://breakthroughinitiatives.org/initiative/3
  9. Parkin, K. L. G. (2018). The Breakthrough Starshot system model. Acta Astronautica 152, 370–384. https://doi.org/10.1016/j.actaastro.2018.08.035
  10. Atwater, H. A. et al. (2018). Materials challenges for the Starshot lightsail. Nature Materials 17, 861–867. https://doi.org/10.1038/s41563-018-0075-8