系外惑星と生命

地球に似た惑星は見つかっているのか、ハビタブルゾーンとは

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ハビタブルゾーンを回る地球サイズの惑星ケプラー186fの想像図
Photo: NASA Ames/SETI Institute/JPL-CalTech. / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

太陽系の外で見つかった惑星は、2026年10月時点で6,451個あります。その中に「地球に似た惑星」はいくつあるのか。答えは、どんな条件を「似ている」とするかで変わります。SEADICEがNASAの全件データを条件を決めて数えると、大きさとハビタブルゾーンの2つで絞った候補は16〜32個でした。ただし、太陽に似た星のまわりでは、まだ1つも見つかっていません。

3行でわかる

  1. ハビタブルゾーンは、星からの距離がちょうどよく、表面に液体の水がありうる範囲。太陽系では太陽から0.99〜1.70天文単位と計算されている。
  2. NASAの全6,451件をSEADICEが数えると、地球の1.6倍以下の大きさでハビタブルゾーンにある惑星は16〜32個。半数ほどは半径を質量から推定した値で、範囲や半径1.6倍の線の引き方で数が変わる(例: ケプラー452bは1.63倍で外れる)。
  3. 見つかったのは太陽より小さく暗い星のまわりばかりで、太陽に似た星では0個。大気・海・生命が確かめられた惑星はまだない。

01 わかっていることハビタブルゾーンとは何?地球に似た惑星はある?

ハビタブルゾーンは、地球のような惑星なら表面に液体の水がありうる、星からの距離の範囲です。大きさが地球に近く、この範囲にある惑星は見つかっています。

星に近すぎると水は蒸発し、遠すぎると凍ります。その間の「ちょうどよい範囲」がハビタブルゾーン(生命が住めるかもしれない範囲)です。Kopparapuら(2013年)の計算では、太陽系では太陽から0.99〜1.70天文単位です[3]。天文単位は、地球と太陽の距離を1とした長さです。

この計算では、地球はハビタブルゾーンの内側の端の近くにいます[3]。範囲は星の明るさで変わります。暗い小さな星なら、ハビタブルゾーンは星のすぐ近くになります。

「地球に似た」と言うとき、ここでは大きさとハビタブルゾーンの2つしか見ていません。大気や海、生命があるかは別の問題で、まだどの惑星でも確かめられていません。見つかった惑星全体の数や見つけ方は、太陽系の外の惑星はいくつ見つかっているのかにまとめています。

02 どうやってわかったのか地球に似た惑星は、どうやって見つけて確かめたの?

大きさは、惑星が星の前を横切って星が暗くなる量から測ります。ハビタブルゾーンかどうかは、惑星が受け取る星の光の量を計算と比べて決めます。

有力な仮説Kopparapuら(2013年、The Astrophysical Journal)[3]

ハビタブルゾーンの内側と外側の境目を計算し直しました。太陽系では0.99〜1.70天文単位です。表面温度2,600〜7,200Kの星について、境目を出す式も示しました。

どうやって: 大気の温室効果を計算するモデルで求めました。雲の効果は入っていないため、著者らは本当の範囲はもっと広いかもしれないと書いています。

有力な仮説Rogers(2015年、The Astrophysical Journal)[4]

半径が地球の1.6倍ほどの惑星の多くは、岩石と鉄だけでできているにしては軽すぎました。それより大きい惑星は、さらに岩石だけでは説明しにくくなります。

どうやって: ケプラー宇宙望遠鏡で見つかり、重さも測られた惑星の密度を調べました。対象は星の近くを50日以内で回る惑星で、ハビタブルゾーンの惑星ではありません。

わかっているQuintanaら(2014年、Science)[5]

ケプラー186fは、半径が地球の約1.11倍で、ハビタブルゾーンを回っていました。地球に近い大きさの惑星がハビタブルゾーンで見つかった、最初の例として発表されました。

どうやって: トランジット法(惑星が星の前を横切るときの暗くなり方を測る方法)です。星は太陽の半分ほどの大きさの赤い星で、1周は約130日です[1]。

わかっているGilbertら(2020年、The Astronomical Journal)[6]

TOI-700 dは、半径が地球の約1.19倍で、地球が太陽から受ける光の約86%を受けていました。NASAのTESS衛星が見つけた、ハビタブルゾーンの地球サイズの惑星の最初の例です。

どうやって: トランジット法です。星までの距離は31.1パーセク(約101光年)です。

わかっているGreeneら(2023年、Nature)[8]

地球サイズの惑星が7個あるTRAPPIST-1で、いちばん内側のbには厚い大気がほとんどないとわかりました。大きさが地球に似ていても、大気があるとは限りません。

どうやって: ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で、惑星から出る熱(赤外線)を測りました。bはハビタブルゾーンより内側の惑星です。ウェッブ望遠鏡のほかの成果はウェッブ望遠鏡は何を見つけたのかにあります。

03 数字と例えでいうと条件を決めて数えると、地球に似た惑星はいくつ?

NASAの全6,451件をSEADICEが数えると、地球の1.6倍以下でハビタブルゾーンにある惑星は16〜32個でした。範囲の取り方と、計算できる星の範囲で数が変わります。

数え方は次のとおりです。NASA Exoplanet Archiveの表「pscomppars」(惑星ごとに代表値を1つずつまとめた表、全6,451件、2026年10月20日取得)を使いました[1]。惑星が受ける光の量(pl_insol)を、Kopparapuらの式[3]で星の表面温度(st_teff)から出した境目と比べました。狭い範囲は「暴走温室」〜「最大温室」、広い範囲は「最近の金星」〜「初期の火星」の境目です。式が使えるのは表面温度2,600〜7,200Kの星で、まずこの範囲の星だけを数えました。そのうえで、半径(pl_rade)が地球の1.6倍以下のものを数えました[4]。光の量・表面温度のどちらかが空欄の惑星は数えていません。

条件個数どういう数え方か
ハビタブルゾーン(狭い範囲)174個(大きさを問わない)太陽系なら0.99〜1.70天文単位にあたる範囲
狭い範囲+地球の1.6倍以下16個うち8個は大きさを直接測った惑星。残り8個は重さからの推定値
広い範囲+地球の1.6倍以下28個太陽系なら約0.75〜1.77天文単位にあたる範囲(計算)
式の範囲より冷たい星も含める19〜32個表面温度2,566KのTRAPPIST-1にも式を当てはめた場合(e・f・gなどが加わる)
うち太陽に似た星(5,300〜6,000K)0個見つかったのは、太陽より小さく暗い星のまわりだけ

全6,451件のうち16個は約0.25%で、400個に1個ほどです(計算)。視線速度法(星のふらつきを測る方法)で見つかった惑星は大きさを測れません。アーカイブは重さから大きさを推定した値を入れているため、ここでは分けて示しました[2]。この方法で測れるのは重さの下限で、プロキシマ・ケンタウリbもこの1つです[7]。

太陽に似た星では、ケプラー452bが近い例です。広い範囲のハビタブルゾーンにありますが、半径は地球の約1.63倍で、1.6倍の線をわずかに超えます[1]。線を1.6倍に引くか2倍に引くかで、数は変わります。

04 まだわかっていないこと地球に似た惑星について、まだ謎なのは?

地球に似た大きさの惑星に、大気や海があるかはわかっていません。太陽に似た星のまわりにどれくらいあるかも、見積もりに大きな幅があります。

05関連する記事

06よくある質問

ハビタブルゾーンとは何?

星からの距離がちょうどよく、地球のような惑星なら表面に液体の水がありうる範囲のことです。Kopparapuら(2013年)の計算では、太陽系では太陽から0.99〜1.70天文単位(地球と太陽の距離が1)です。生命がいる場所という意味ではありません。

地球に似た惑星はいくつ見つかっている?

数え方しだいで変わります。NASA Exoplanet Archiveの全6,451件(2026年10月20日取得)をSEADICEが数えると、地球の1.6倍以下の大きさでハビタブルゾーンにある惑星は、狭い範囲で16個、広い範囲で28個でした。計算の範囲外の星まで広げると19〜32個です。

いちばん近い地球に似た惑星は?

太陽にいちばん近い星プロキシマ・ケンタウリ(約4.2光年)を回るプロキシマ・ケンタウリbです。ハビタブルゾーンにあり、重さは地球の1.3倍以上です。ただし星の前を横切らないため、大きさは直接測れておらず、大気があるかもわかっていません。

太陽に似た星のまわりに、地球に似た惑星はある?

2026年10月時点の確認済みの惑星には、まだありません。表面温度5,300〜6,000Kの星で、地球の1.6倍以下・ハビタブルゾーンの惑星は0個でした。小さな星より見つけにくいためで、「ない」とわかったわけではありません。

出典

  1. NASA Exoplanet Archive. Planetary Systems Composite Parameters(全件データ、2026年10月20日取得). https://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/
  2. NASA Exoplanet Archive. How the Archive Calculates Values in the Planetary Systems Composite Parameters Table. https://exoplanetarchive.ipac.caltech.edu/docs/pscp_calc.html
  3. Kopparapu, R. K., Ramirez, R., Kasting, J. F., et al. (2013). Habitable Zones around Main-Sequence Stars: New Estimates. The Astrophysical Journal 765, 131. https://doi.org/10.1088/0004-637X/765/2/131
  4. Rogers, L. A. (2015). Most 1.6 Earth-radius Planets are Not Rocky. The Astrophysical Journal 801, 41. https://doi.org/10.1088/0004-637X/801/1/41
  5. Quintana, E. V., Barclay, T., Raymond, S. N., et al. (2014). An Earth-Sized Planet in the Habitable Zone of a Cool Star. Science 344, 277–280. https://doi.org/10.1126/science.1249403
  6. Gilbert, E. A., Barclay, T., Schlieder, J. E., et al. (2020). The First Habitable-zone Earth-sized Planet from TESS. I. Validation of the TOI-700 System. The Astronomical Journal 160, 116. https://doi.org/10.3847/1538-3881/aba4b2
  7. Anglada-Escudé, G., et al. (2016). A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri. Nature 536, 437–440. https://doi.org/10.1038/nature19106
  8. Greene, T. P., Bell, T. J., Ducrot, E., et al. (2023). Thermal emission from the Earth-sized exoplanet TRAPPIST-1 b using JWST. Nature 618, 39–42. https://doi.org/10.1038/s41586-023-05951-7