星と銀河

太陽はいつか消えるのか、50億年後の太陽と地球

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太陽(NASAの太陽観測衛星SDOの画像)
Photo: NASA/SDO (AIA) / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

太陽は、いつまでも今のまま輝き続けるわけではありません。研究者の計算では、太陽は少しずつ明るくなり、数十億年後には大きくふくらんだ「赤色巨星」になります。そのとき地球はどうなるのか。計算でわかっていることと、まだ意見が分かれていることを分けて見ていきます。

3行でわかる

  1. 太陽が生まれたのは約45.7億年前。中心の水素を燃やす今の時期は、あと約50億年続く。
  2. その間も太陽は10億年で約10%明るくなる。地球は、太陽が巨星になるずっと前の約10億年後に、生き物が住めない暑さになると見積もられている。
  3. 約76億年後、太陽は半径が今の約256倍までふくらむ。地球が飲み込まれるかどうかは、太陽が失う重さの見積もりしだいで、まだ決着していない。

01 わかっていること太陽はいつか消えるの?

太陽は爆発せず、ゆっくり年をとります。あと約50億年で中心の水素を使い切り、赤色巨星にふくらんだあと、外側のガスを手放して、地球ほどの大きさの白色矮星(燃えかすの星)になります。

太陽は、中心で水素をヘリウムに変える核融合で輝いています。NASAによると、太陽は一生のおよそ半分を過ぎたところで、今の輝き方はあと約50億年続きます[5]。太陽がガスの雲からどう生まれたかは「星はどうやって生まれるのか」で書いています。

中心の水素がなくなると、太陽の外側は大きくふくらみ、表面は冷えて赤くなります。これが赤色巨星です[1]。

最後は外側のガスを宇宙に手放し、中心の芯だけが残ります。NASAによると、この白色矮星は地球ほどの大きさで、何十億年もかけてゆっくり冷えていきます[4][6]。太陽は軽いので、重い星のような超新星爆発は起こしません(超新星爆発の記事)。

02 どうやってわかったのか何十億年も先のことが、なぜわかるの?

太陽の未来は、星の中で起きる核融合とガスの動きを計算する「恒星進化モデル」で求めます。モデルが正しいかは、今の太陽の明るさや大きさ、年をとったほかの星の観測と比べて確かめています。

わかっているConnellyら(2012年、Science)[2]

太陽系で最初にできた固い粒は、45億6700万年前にできました。太陽系の年齢は、この値から約45.7億年とされます。

どうやって: 隕石の中に残っている、太陽系で最初にできた粒のウランと鉛の割合を測りました。ウランが鉛に変わる速さは決まっているので、時計として使えます。

わかっているSchröder & Smith(2008年、Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)[1]

太陽は今、1億1000万年ごとに約1%、10億年で約10%明るくなっています。太陽の年齢が約100億年になると、中心の水素を燃やす時期が終わり、明るさは今の1.84倍、大きさは37%大きくなります。

どうやって: 星の進化を計算するプログラムで、今の太陽の明るさや表面温度に合うモデルを作り、未来へ進めました。計算プログラムは、ほかの星の観測で確かめられてきたものです。

有力な仮説Schröder & Smith(2008年、Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)[1]

約76億年後、赤色巨星の太陽は半径が今の256倍(約1.2天文単位)、明るさは約2730倍になります。それまでに太陽は重さの約3分の1を失いますが、地球は太陽の潮の力で引き寄せられ、飲み込まれると計算されました。

どうやって: 赤色巨星が失うガスの量の式と、地球と太陽の間の潮の力を1ステップずつ計算しました。生き残るには、今の地球の軌道より少し外側の約1.15天文単位以上が必要だと見積もられています。

有力な仮説Gesickiら(2018年、Nature Astronomy)[3]

新しい星の進化モデルでは、太陽も最期に「惑星状星雲(星が手放したガスが光って見える雲)」を作りますが、その光はかなり淡いと予測されました。

どうやって: 星が巨星の段階を終えたあとの進化を新しく計算し、ほかの銀河の惑星状星雲の明るさの観測と比べました。Schröder & Smith(2008年)は、ふつうの惑星状星雲はできないと予測しており、見方が分かれています[1]。

03 数字と例えでいうと太陽の一生を1日に縮めると、今は何時?

太陽が生まれてから最も大きくふくらむまでの約122億年を1日に縮めると、今は午前9時ごろです。地球が住めなくなるのは午前11時ごろ、中心の水素がなくなるのは午後7時40分ごろです。

できごと太陽の年齢1日に縮めると
太陽が輝き始める0年午前0時
今約45.7億年[1]午前9時ごろ
明るさが今より約10%増え、地球が住める範囲から外れる(見積もり)約56億年(今から約10億年後)[1]午前11時ごろ
中心の水素を燃やす時期が終わる約100億年[1]午後7時40分ごろ
赤色巨星として最も大きくなる(半径は今の256倍)約121.7億年[1]24時(1日の終わり)

大きさの例えです。今の太陽を直径1cmのビーズにすると、地球は約1.08m先を回る砂粒です。最も大きくなった太陽は半径約1.28m(直径約2.6m)で、今の地球の軌道をすっぽり包む大きさになります[1]。

時刻は、太陽の年齢を121.7億年で割り、24時間をかけて計算しました。例えの距離は、1天文単位=太陽の半径の215倍として計算しました[1]。

04 まだわかっていないこと地球は太陽に飲み込まれるの?

地球が飲み込まれるかどうかは、まだ決着していません。巨星の太陽がどれだけ重さを失うか、地球との間の潮の力がどれだけ働くかで、答えが変わるためです。

05関連する記事

06よくある質問

太陽はあと何年で消える?

太陽が中心の水素を燃やして今のように輝く時期は、あと約50億年続きます。そのあと赤色巨星にふくらみ、最後は地球ほどの大きさの白色矮星になります。白色矮星は消えずに、何十億年もかけてゆっくり冷えていきます。

太陽は超新星爆発する?

しません。NASAによると、超新星爆発を起こすのは太陽の約8倍より重い星です。太陽は赤色巨星になったあと、外側のガスを手放して白色矮星になります。

地球に人が住めなくなるのはいつ?

Schröder & Smith(2008年)の計算では、太陽は10億年で約10%明るくなり、約10億年後に地球は生き物が住める範囲から外れ、海が蒸発し始めると見積もられています。ただし雲の影響を入れていない大まかな数字です。

地球は太陽に飲み込まれる?

まだ決着していません。2008年の計算では、約76億年後に半径が今の256倍になった太陽に飲み込まれるとされました。ただし太陽が失う重さの見積もりには幅があり、結果が変わる可能性があります。

出典

  1. Schröder, K.-P., Smith, R. C. (2008). Distant future of the Sun and Earth revisited. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 386, 155–163. https://doi.org/10.1111/j.1365-2966.2008.13022.x
  2. Connelly, J. N., et al. (2012). The Absolute Chronology and Thermal Processing of Solids in the Solar Protoplanetary Disk. Science 338, 651–655. https://doi.org/10.1126/science.1226919
  3. Gesicki, K., Zijlstra, A. A., Miller Bertolami, M. M. (2018). The mysterious age invariance of the planetary nebula luminosity function bright cut-off. Nature Astronomy 2, 580–584. https://doi.org/10.1038/s41550-018-0453-9
  4. NASA Science. Stars. https://science.nasa.gov/universe/stars/
  5. NASA Science. Sun: Facts. https://science.nasa.gov/sun/facts/
  6. NASA Science. Types of Stars. https://science.nasa.gov/universe/stars/types/