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星の色はなぜ違うのか、色で星の温度がわかる

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オリオン座の赤いベテルギウスと青白いリゲル
Photo: ESO/B. Tafreshi (twanight.org) / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

冬のオリオン座を見上げると、左上のベテルギウスは赤っぽく、右下のリゲルは青白く光っています。この色の違いは、星の表面の温度の違いです。色を調べるだけで、行くことのできない遠くの星の温度がわかります。

3行でわかる

  1. 熱いものほど青白く、冷たいものほど赤く光ります。星も同じで、色は表面の温度を表しています。
  2. 青白いリゲルの表面は約1万2000K、太陽は5772K、赤いベテルギウスは約3600Kです(Kはケルビン。273を引くと℃になります)。
  3. 星を O・B・A・F・G・K・M に分ける方法は、100年ほど前にハーバード天文台で女性たちが作り上げ、今も使われています。

01 わかっていること星の色はなぜ違うの?

星の色の違いは、表面の温度の違いです。熱い星ほど青白く、冷たい星ほど赤く見えます。熱した鉄が、温度が上がるにつれて赤からオレンジ、白へと色を変えるのと同じしくみです。

熱いものは、それだけで光を出します。温度が上がるほど、いちばん強く出る光の色は、赤から青のほうへずれていきます。

理想的に光を出す物体を「黒体」と呼びます。黒体では、いちばん強く出る光の波長が温度に反比例します(ウィーンの法則)。2倍熱ければ、いちばん強い光の波長は半分になります。

星の光は、この黒体の光にかなり近い形をしています。そのため、2つの色で明るさを測ると、表面の温度を計算できます。バレステロス(2012年)は、その計算を1本の式にまとめました [7]。

02 どうやってわかったのか色と温度の関係は、どうやって確かめたの?

星の光を虹のように分けて、そこに現れる暗いすじの模様で星を分類したのが始まりです。その分類の並びが温度の順だとわかり、今では色や光のすじから、星ごとの温度を細かく求められます。

わかっているキャノンとハーバード天文台(ヘンリー・ドレーパー星表、1918〜1924年刊行)[1]

キャノンは、フレミングがAからQの文字で分けていた分類を整理し、O・B・A・F・G・K・Mの順に並べ直しました。この順は表面温度の順で、Oがいちばん熱く、Mがいちばん冷たい星です。星表は約22万5300個の星の分類を収め、1922年に国際天文学連合がこの方式を採用しました。

どうやって: 星の光をすじに分けて写した写真を、1枚ずつ目で見て分けました。同じ天文台のモーリーは、22のグループに分ける別の方式も考えています。キャノンは1911年10月に分類を始め、1913年には1時間に約200個の星を分けていたと伝えられます。

わかっているペコーとママジェク(2013年、The Astrophysical Journal Supplement Series)[2][3]

太陽のように中心で水素を燃やしている星(主系列星)について、型ごとの温度を表にまとめました。最新版の表では、A0型は約9700K、G2型(太陽と同じ型)は約5770K、M5型は約3060Kです。

どうやって: たくさんの研究で測られた星の色と温度を集めて整理しました。数値は、著者が更新を続けている表(2022年4月版)から引いています。年をとってふくらんだ巨星や超巨星は、同じ型でも温度が少し違います。

わかっているプシビラら(2006年、Astronomy & Astrophysics)[4]

リゲル(B8型の超巨星)の表面温度は、1万2000±200Kと求められました。

どうやって: リゲルの光を細かく分けた精密なスペクトルを、星の大気のモデル計算と1本1本の線まで合わせて求めました。

わかっているレベスクとマッシー(2020年、The Astrophysical Journal Letters)[5]

ベテルギウスの表面温度は、2020年2月の測定で3600±25Kでした。同じ方法で測った2004年は3650Kで、少しだけ下がっていました。

どうやって: 光を色ごとに分けて明るさを測り、赤い超巨星の大気のモデルや、ほかの赤い超巨星と比べました。このわずかな温度の低下では、2020年にベテルギウスが大きく暗くなったことは説明できないとしています。

03 数字と例えでいうと星の温度と色を並べると?

リゲルは太陽の約2倍熱いので、いちばん強い光の波長は太陽の約半分で、目に見えない紫外線のあたりです。ベテルギウスは逆に、いちばん強い光が目に見えない赤外線のあたりにあります。

星表面温度いちばん強い光の波長(計算)見え方
リゲル約1万2000K [4]約240ナノメートル(紫外線)青白い
太陽5772K [6]約500ナノメートル(青緑)白っぽい
ベテルギウス約3600K [5]約800ナノメートル(赤外線)赤っぽいオレンジ

波長は、ウィーンの法則(波長×温度=約2.9ミリメートル・ケルビン)で計算しました。人の目に見える光は、およそ400〜700ナノメートルです。いちばん強い光が目に見える範囲の外にあっても、星は見える範囲の光も出しているので、その混ざり方で色が決まります。

型主系列星の表面温度 [3]見え方の目安
O約3万3000〜4万5000K(O9〜O3)青白い
B約3万1400K(B0)青白い
A約9700K(A0)白
F約7220K(F0)黄みがかった白
G約5930K(G0)、太陽のG2は約5770K黄色っぽい白
K約5270K(K0)オレンジ
M約3850K(M0)〜約2380K(M9)赤

同じ型の中は0〜9の数字でさらに細かく分け、数字が大きいほど冷たくなります。いちばん熱いO3型といちばん冷たいM9型では、表面温度に約19倍の差があります(4万4900K÷2380Kで計算)。

04 まだわかっていないこと星の色と温度で、まだ決着していないことは?

赤い超巨星の本当の温度は、測り方によって値が変わり、まだ決めきれていません。宇宙で最初に生まれた星がどんな色と温度だったかも、観測では確かめられていません。

05関連する記事

06よくある質問

赤い星と青い星、どちらが熱いの?

青い星のほうが熱いです。火の色のイメージとは逆に、星では青白いほど表面が熱く、赤いほど冷たくなります。青白いリゲルの表面は約1万2000K、赤いベテルギウスは約3600Kです。

緑色の星はないの?

緑一色に見える星はまずありません。星はいろいろな色の光を混ぜて出しているので、光のいちばん強いところが緑のあたりにある太陽くらいの温度の星は、全部の色が混ざって白っぽく見えます。

太陽は何色の星なの?

太陽はG型の星で、表面温度は国際天文学連合の基準値で5772Kです。光のいちばん強いところは青緑のあたりですが、いろいろな色が混ざっているので白っぽい光になります。

星の色は肉眼でもわかるの?

明るい星ならわかります。冬のオリオン座では、赤っぽいベテルギウスと青白いリゲルの違いが肉眼でも見えます。暗い星は、目の色を感じるしくみが働きにくいため、白っぽく見えます。

出典

  1. O'Connor, J. J., Robertson, E. F. Annie Jump Cannon(MacTutor History of Mathematics, University of St Andrews。ヘンリー・ドレーパー星表へのピッカリングの序文を引用). https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Cannon/
  2. Pecaut, M. J., Mamajek, E. E. (2013). Intrinsic Colors, Temperatures, and Bolometric Corrections of Pre-main-sequence Stars. The Astrophysical Journal Supplement Series 208, 9. https://doi.org/10.1088/0067-0049/208/1/9
  3. Mamajek, E. E. A Modern Mean Dwarf Stellar Color and Effective Temperature Sequence(Version 2022.04.16、2026年10月に確認). https://www.pas.rochester.edu/~emamajek/EEM_dwarf_UBVIJHK_colors_Teff.txt
  4. Przybilla, N., Butler, K., Becker, S. R., Kudritzki, R. P. (2006). Quantitative spectroscopy of BA-type supergiants. Astronomy & Astrophysics 445, 1099–1126. https://doi.org/10.1051/0004-6361:20053832
  5. Levesque, E. M., Massey, P. (2020). Betelgeuse Just Isn't That Cool: Effective Temperature Alone Cannot Explain the Recent Dimming of Betelgeuse. The Astrophysical Journal Letters 891, L37. https://doi.org/10.3847/2041-8213/ab7935
  6. Prša, A., Harmanec, P., Torres, G., Mamajek, E., et al. (2016). Nominal Values for Selected Solar and Planetary Quantities: IAU 2015 Resolution B3. The Astronomical Journal 152, 41. https://doi.org/10.3847/0004-6256/152/2/41
  7. Ballesteros, F. J. (2012). New insights into black bodies. EPL (Europhysics Letters) 97, 34008. https://doi.org/10.1209/0295-5075/97/34008
  8. Levesque, E. M., Massey, P., Olsen, K. A. G., Plez, B., et al. (2005). The Effective Temperature Scale of Galactic Red Supergiants: Cool, but Not as Cool as We Thought. The Astrophysical Journal 628, 973–985. https://doi.org/10.1086/430901