星座と星空

自分の星座は本当は1つずれている?へびつかい座と歳差

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チリのパラナル天文台から見た天の川
Photo: ESO/S. Guisard (www.eso.org/~sguisard) / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

4月1日生まれは、星占いでは「おひつじ座」です。でも2026年の4月1日に太陽が実際にいるのは、うお座です。このずれは占いの誤りではなく、2500年以上のあいだに地球の軸の向きが少しずつ変わったことから生まれました。

「誕生日に太陽がいた星座」チェッカー(いわゆる「本当の星座」)

生まれた月日を選ぶと、占いの星座と、その日に太陽が実際にいた星座を並べて出します。年は空でもかまいません。

計算はこのブラウザの中だけで行い、入力した日付は送信も保存もしません。太陽の星座は、1900〜2100年の毎日の日本時間正午の太陽の位置をAstropyで求め、IAUの星座の境界(Roman 1987)で判定した表から引いています[5][6]。

3行でわかる

  1. 星占いの12星座は、太陽の通り道(黄道)を春分点から30度ずつ12等分した区切り(黄道十二宮)。実際の星座は大きさがばらばらで、境界はIAUの線で決まっている。
  2. 地球の軸がコマのように首をふる「歳差」で、春分点は1年に約50秒角(約72年で1度)動き、約2万6000年で一周する。12等分が決まった紀元前6〜5世紀から、1星座分ほどずれた。
  3. IAUの境界で2026年を計算すると(年によって1日前後ずれる)、太陽は12月1日〜18日ごろへびつかい座を通り、さそり座にいるのは11月24日〜30日ごろの約1週間だけ。

01 わかっていること誕生星座と、実際に太陽がいる星座は違うの?

違います。星占いの星座は黄道を30度ずつ等分した区切りで、実際の星座とは別ものです。歳差で春分点が動いたため、今は誕生日に太陽がいる星座が、星占いの星座より1つ前にずれていることが多くなっています。

星占いで使う12星座は、正しくは黄道十二宮といいます。太陽・月・惑星の通り道である黄道を、春分点(春分の日に太陽がいる点)から30度ずつ12に分けた区切りです[2]。星座の大きさには関係なく、等間隔に分けられています[2]。

一方、天文学でいう星座は、IAUが決めた境界線で囲まれた空の区画です[3]。区画の大きさはばらばらです。そして黄道は、占いの12星座のほかに、へびつかい座の区画も通ります(下の計算)。88星座の決まり方は星座はいくつあるのかで書いています。

国立天文台の暦計算室によると、春分点は今はうお座のあたりにありますが、黄道十二宮ができたころはおひつじ座にありました[2]。今でも春分点の記号に、おひつじ座の記号が使われているのはそのためです[2]。

02 どうやってわかったのかどうしてずれたの?

地球の軸の向きが、約2万6000年かけて円をえがくように変わる「歳差」のためです。春分点は約72年で1度ずつ動き、12等分が決まってからの2500年ほどで、30度を超えて動きました。

わかっている国立天文台(歳差の解説)[1][2]

地球の軸は、傾いたまま約2万6000年の周期で、半径約23.4度の円をえがくように向きを変えています。このため春分点は1年に約50秒角ずつ動き、星座の黄道上の位置は約72年で1度、約2150年で30度ずれます。

どうやって: 太陽・月・惑星の引力が、傾いて回る地球にはたらくことで起きます。回るコマの心棒が、ゆっくり首をふる動きと同じです[1]。

有力な仮説Rogers(1998年、Journal of the British Astronomical Association)[4]

黄道を12の等しい区切りに分けたのは、バビロニアで紀元前600年ごろ、遅くとも紀元前475年より前とされます。そのころの記録では、春分点は今のおひつじ座にあたる区切りの「15度」の位置に置かれていました。春分点を区切りの0度に合わせたのは、ギリシャのヒッパルコスが歳差を見つけたあとだと、Rogersは書いています。

どうやって: 残っている粘土板の天文記録や、のちのギリシャ・ローマの文献に書かれた春分点の位置を整理しました。正確な年代は、記録が限られているため幅があります。

わかっているRoman(1987年、Publications of the Astronomical Society of the Pacific)[5]

IAUの星座の境界は1875年の時点の座標で決められているので、ある日の太陽がどの星座にいるかは、太陽の位置を1875年の座標に直してから境界の表と比べれば決まります。

どうやって: 1930年に出たIAUの境界のリストを電子データにして、位置から星座を探す表と、座標を直すプログラムにまとめました。下の表はこの方法で計算しています。

03 数字と例えでいうと誕生日に太陽が本当にいる星座は?

2026年で計算すると(日付は年によって1日前後ずれます)、星占いと実際の星座は多くの日で1つずれています。たとえば4月1日は、星占いではおひつじ座、実際はうお座です。太陽はおとめ座に約45日いますが、さそり座には約7日しかいません。

星座星占いの期間(黄道十二宮)実際に太陽がその星座にいる期間(2026年の日付。年によって1日前後ずれる)
おひつじ座3月21日〜4月19日4月19日〜5月14日
おうし座4月20日〜5月20日5月15日〜6月21日
ふたご座5月21日〜6月21日6月22日〜7月20日
かに座6月22日〜7月22日7月21日〜8月10日
しし座7月23日〜8月22日8月11日〜9月16日
おとめ座8月23日〜9月22日9月17日〜10月31日
てんびん座9月23日〜10月23日11月1日〜11月23日
さそり座10月24日〜11月22日11月24日〜11月30日
へびつかい座(なし)12月1日〜12月18日
いて座11月23日〜12月21日12月19日〜1月19日
やぎ座12月22日〜1月19日1月20日〜2月16日
みずがめ座1月20日〜2月18日2月17日〜3月12日
うお座2月19日〜3月20日3月13日〜4月18日
計算の条件: 2026年の毎日、日本時間の正午の太陽の位置を、天文計算のソフトAstropy 6.0.1で求めました[6]。実際の星座はIAUの境界(Roman 1987の表)[5]で、星占いの期間は太陽の黄経(黄道上の角度)が30度ごとの区切りを越えた日で判定しています。年によって1日前後ずれます(2000年で計算すると、へびつかい座は11月30日〜12月17日)。
項目値身近な例えでいうと
歳差の周期約2万6000年[1]2万6000年を1日に縮めると、人の一生(80年)は約4分半(計算)
春分点が動く速さ1年に約50秒角、約72年で1度[2]人の一生ほどの時間で、満月(見かけの直径約0.5度)2つ分動く(計算)
12等分ができてからのずれ紀元前600年ごろ〜前475年より前に成立[4]2026年までの約2500〜2600年で約35〜36度。1区切り(30度)を超える(計算)
太陽がいちばん長くいる星座おとめ座 約45日(計算)1か月半
太陽がいちばん短くいる星座さそり座 約7日(計算)1週間。へびつかい座(約18日)の半分以下

ずれの計算では、紀元前600年から2026年までを2625年、紀元前475年からを2500年とし、72年で1度として割りました(紀元0年はないので1を引いています)。誕生日の夜にその星座が見えるかどうかは、誕生日の星座はなぜ誕生日に見えないのかで書いています。

04 まだわかっていないことまだはっきりしないことは?

黄道を12等分した正確な年は、記録が少なく幅があります。バビロニアの人たちが春分点の動きを歳差として理解していたかどうかも、決着していません。

05関連する記事

06よくある質問

へびつかい座生まれは何月何日?

IAUの星座の境界で2026年を計算すると、太陽がへびつかい座にいるのは12月1日〜18日ごろです。年によって1日前後ずれます。星占いの12星座には、へびつかい座は入っていません。

星占いの星座の日付はまちがっているの?

まちがいというより、別のものです。星占いの12星座は、黄道を春分点から30度ずつ等分した「黄道十二宮」で、実際の星座の位置とは決め方が違います。歳差で春分点が動いたため、今は実際の星座と1つほどずれています。

歳差とは何?

地球の軸が、傾いたまま約2万6000年かけて円をえがくように向きを変える動きです。回るコマの心棒がゆっくり首をふるのと似ています。このため春分点は1年に約50秒角ずつ動きます。

4月1日生まれの人の太陽は、実際は何座にある?

2026年で計算すると、4月1日に太陽がいるのはうお座です。星占いでは、おひつじ座(3月21日〜4月19日)にあたります。

自分の本当の星座はどうやって調べる?

このページ冒頭の「誕生日に太陽がいた星座」チェッカー(いわゆる「本当の星座」)に生まれた月日(わかれば年も)を入れると、その日に太陽が実際にいた星座を、IAUの星座の境界で調べられます。1900〜2100年に対応しています。計算はブラウザの中だけで行い、入力した日付は送信も保存もしません。

出典

  1. 国立天文台. 歳差ってなに?(よくある質問). https://www.nao.ac.jp/faq/a1007.html
  2. 国立天文台暦計算室. 暦Wiki 黄道十二宮. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B2ABC6BBBDBDC6F3B5DC.html
  3. International Astronomical Union. The Constellations (Astronomy FAQs). https://www.iau.org/IAU/IAU/Astronomy-FAQs/Constellations.aspx
  4. Rogers, J. H. (1998). Origins of the ancient constellations: I. The Mesopotamian traditions. Journal of the British Astronomical Association 108, 9–28. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1998JBAA..108....9R/abstract
  5. Roman, N. G. (1987). Identification of a Constellation from a Position. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 99, 695. https://doi.org/10.1086/132034
  6. Astropy Collaboration (2022). The Astropy Project: Sustaining and Growing a Community-oriented Open-source Project and the Latest Major Release (v5.0) of the Core Package. The Astrophysical Journal 935, 167. https://doi.org/10.3847/1538-4357/ac7c74