星と銀河

白色矮星とは何か、太陽の最後の姿

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シリウスAと白色矮星シリウスBの想像図
Photo: NASA, ESA and G. Bacon (STScI) / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

太陽は、あと約50億年で今の輝き方を終えます。最後に残るのは、地球ほどの大きさしかないのに、とても重い「白色矮星」です。天の川銀河の星の最大97%が、いずれ白色矮星になると見積もられています。

3行でわかる

  1. 白色矮星は、太陽くらいの星が一生の最後に残す芯。ふつうは太陽の半分ほどの重さが、地球より少し大きいくらいの球に詰まっている。
  2. 白色矮星の重さには上限があり、太陽の約1.4倍とされる。自分で新しい熱は作らず、何十億年もかけて冷えていく。
  3. 冷えると中心が結晶のように固まると考えられ、その証拠がガイア衛星の観測から報告された。太陽は白色矮星になってから、さらに約50億年で結晶の球になるとESAは見積もっている。

01 わかっていること白色矮星とはどんな星?

白色矮星は、太陽くらいの重さの星が燃料を使い終えたあとに残る芯です。ふつう太陽の半分ほどの重さが、地球より少し大きいくらいの球に詰まっています。新しい熱は作らず、ゆっくり冷えていきます。

太陽は、あと約50億年で中心の水素を使い切ります。そのあと赤色巨星にふくらみ、外側のガスを宇宙へ手放します。残った芯が白色矮星です(太陽はいつか消えるのか)。

NASAによると、白色矮星の物質の密度は1立方メートルあたり約10億kgで、地球の平均の約20万倍です[8]。この重さを支えているのは、ぎゅうぎゅうに押し込められた電子が押し返す力です[1]。

太陽の約8倍より重い星は、白色矮星ではなく超新星爆発を起こし、中性子星やブラックホールを残します。ESAによると、天の川銀河の星の最大97%は、いずれ白色矮星になると見積もられています[7]。

02 どうやってわかったのか白色矮星の重さや一生は、どうやって調べたの?

重さの上限は計算で、実際の重さは連星(2つ組の星)の回り方で測りました。星団の白色矮星を調べると、元の星がどれだけ重さを手放したかもわかります。冷え方は、たくさんの白色矮星の明るさと色を並べて調べています。

わかっているChandrasekhar(1931年、The Astrophysical Journal)[1][8]

白色矮星の重さには上限があることを、計算で示しました。NASAは、この上限(チャンドラセカール限界)を太陽の約1.4倍と説明しています。それより重い芯は、電子の押し返す力では支えきれません。

どうやって: 押し込められた電子の性質を、相対性理論も入れて計算しました。この上限は、白色矮星が爆発するIa型超新星を考えるときの土台にもなっています。

わかっているBondら(2017年、The Astrophysical Journal)[2]

夜空でいちばん明るい星シリウスのまわりを、50.13年かけて回る白色矮星シリウスBの重さは、太陽の1.018倍(誤差±0.011)でした。白色矮星になってから約1億2600万年たっていると見積もられました。

どうやって: ハッブル宇宙望遠鏡による約20年分の画像と、19世紀からの約2300回の位置の記録を合わせて、2つの星の回り方を求め、重さを計算しました。

有力な仮説Cummingsら(2018年、The Astrophysical Journal)[3]

星は白色矮星になるまでに、重さの多くを手放します。太陽の0.83倍の重さで生まれた星では元の重さの33%を、7.5倍の星では83%を失うと見積もられました。

どうやって: 13の星団にある白色矮星79個とシリウスBを調べました。同じ星団の星は同じころに生まれたので、白色矮星になる前の星の重さを逆算できます。

有力な仮説Tremblayら(2019年、Nature)[4][7]

白色矮星が冷えていくと、中心の炭素と酸素が結晶のように固まり、そのとき熱を出すと考えられてきました。ガイア衛星のデータで、その「冷え方が遅れる」しるしが見つかりました。固まる途中の白色矮星は、最大で約20億年若く見えるとされます。

どうやって: 地球から約300光年以内の白色矮星の候補1万5000個以上の明るさと色を並べ、特定の場所に星がたまっている様子を見つけました。固まるのは約1000万℃のころとされます。

有力な仮説Vanderburgら(2020年、Nature)[5]

白色矮星WD 1856+534の前を、木星ほどの大きさの惑星の候補が1.4日ごとに横切っていました。重さは木星の14倍以下です。大きな惑星が、白色矮星のすぐ近くで壊されずに残れることを示す例とされています。

どうやって: NASAの宇宙望遠鏡TESSで、白色矮星の明るさが周期的に下がる様子をとらえました。どうやってこの近い軌道に来たのかは、まだ決着していません。

03 数字と例えでいうと白色矮星はどれくらい重くて、どれくらいで冷えるの?

白色矮星の物質は、小さじ1杯(5ミリリットル)で約5トンです。重さの上限は太陽の約1.4倍。太陽は白色矮星になってから、結晶の球に冷えるまでに、さらに約50億年かかると見積もられています。

項目値身近な例えでいうと
密度1立方メートルあたり約10億kg[8]1立方センチで約1トン。小さじ1杯(5ミリリットル)で約5トン(計算)
中性子星とくらべると中性子星は小さじ1杯で約15億トン白色矮星は中性子星の約3億分の1の密度(計算)
ふつうの重さと大きさ太陽の約半分の重さで、地球より少し大きい[8]地球の約17万倍の重さが、地球ほどの球に入っている(太陽=地球の約33万倍として計算)
重さの上限太陽の約1.4倍[8]シリウスB(太陽の1.018倍[2])は上限の約7割
白色矮星になるまでに手放す重さ(太陽より少し軽い、太陽の0.83倍の重さで生まれた星の例)元の重さの33%[3]この星に残る芯は太陽の約0.56倍(計算)。太陽そのものの値ではない
太陽が白色矮星になるまであと約50億年[7]そこから結晶の球に冷えるまで、さらに約50億年[7]
結晶になるときの冷え方の遅れ最大で約20億年若く見える[7]地球の歴史(約46億年)の半分近く

中性子星の値は「中性子星とは何か」の計算(小さじ1杯で約15億トン)を使いました。0.56倍は、0.83倍から33%を引いた値です。太陽そのものの白色矮星の重さを、この論文が直接示しているわけではありません。

04 まだわかっていないこと白色矮星で、まだわからないことは?

白色矮星が爆発するIa型超新星が、どんな組み合わせの星から起きるのかは決着していません。白色矮星のまわりで惑星がどう生き残るのかも、まだ調べている途中です。

05関連する記事

06よくある質問

白色矮星とは何?

太陽くらいの重さの星が、燃料を使い終えたあとに残る芯です。NASAによると、ふつうは太陽の半分ほどの重さが、地球より少し大きいくらいの球に詰まっています。新しく熱を作らず、何十億年もかけてゆっくり冷えていきます。

太陽は白色矮星になるの?

なります。太陽はあと約50億年で今の輝き方を終え、赤色巨星にふくらんだあと、外側のガスを手放して白色矮星になります。ESAによると、そこからさらに約50億年かけて、結晶の球に冷えていくと見積もられています。

白色矮星は小さじ1杯でどれくらいの重さ?

NASAが示す密度(1立方メートルあたり約10億kg)で計算すると、小さじ1杯(5ミリリットル)で約5トンです。中性子星は小さじ1杯で約15億トンなので、白色矮星はその約3億分の1の密度です。

白色矮星の重さに上限はある?

あります。チャンドラセカールが計算で示した上限で、NASAは太陽の約1.4倍と説明しています。それより重い芯は、電子が押し返す力では支えきれません。

白色矮星はいずれ消えるの?

消えずに冷えていきます。新しい熱を作らないため、何十億年もかけて暗くなります。冷える途中で中心が結晶のように固まると考えられ、2019年にガイア衛星のデータからその証拠が報告されました。

出典

  1. Chandrasekhar, S. (1931). The Maximum Mass of Ideal White Dwarfs. The Astrophysical Journal 74, 81. https://doi.org/10.1086/143324
  2. Bond, H. E., Schaefer, G. H., Gilliland, R. L., Holberg, J. B., et al. (2017). The Sirius System and Its Astrophysical Puzzles: Hubble Space Telescope and Ground-based Astrometry. The Astrophysical Journal 840, 70. https://doi.org/10.3847/1538-4357/aa6af8
  3. Cummings, J. D., Kalirai, J. S., Tremblay, P.-E., Ramirez-Ruiz, E., Choi, J. (2018). The White Dwarf Initial–Final Mass Relation for Progenitor Stars from 0.85 to 7.5 M⊙. The Astrophysical Journal 866, 21. https://doi.org/10.3847/1538-4357/aadfd6
  4. Tremblay, P.-E., Fontaine, G., Gentile Fusillo, N. P., Dunlap, B. H., et al. (2019). Core crystallization and pile-up in the cooling sequence of evolving white dwarfs. Nature 565, 202–205. https://doi.org/10.1038/s41586-018-0791-x
  5. Vanderburg, A., Rappaport, S. A., Xu, S., Crossfield, I. J. M., et al. (2020). A giant planet candidate transiting a white dwarf. Nature 585, 363–367. https://doi.org/10.1038/s41586-020-2713-y
  6. Maoz, D., Mannucci, F., Nelemans, G. (2014). Observational Clues to the Progenitors of Type Ia Supernovae. Annual Review of Astronomy and Astrophysics 52, 107–170. https://doi.org/10.1146/annurev-astro-082812-141031
  7. ESA (2019). Gaia reveals how Sun-like stars turn solid after their demise. https://www.esa.int/About_Us/ESAC/Gaia_reveals_how_Sun-like_stars_turn_solid_after_their_demise
  8. NASA Goddard Space Flight Center. Imagine the Universe! White Dwarf Stars. https://imagine.gsfc.nasa.gov/science/objects/dwarfs2.html