星と銀河

もしアンドロメダ銀河が明るく見えたら、空でどれくらい大きいのか

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望遠鏡の画像を合成した、アンドロメダ銀河のまわりの広い範囲(肉眼ではこう見えない)
Photo: ESA/Hubble & Digitized Sky Survey 2. Acknowledgment: Davide De Martin (ESA/Hubbl / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

秋の夜空のアンドロメダ銀河は、暗い場所なら肉眼でぼんやり見えます。でも目に見えているのは、銀河のほんの一部です。光っている部分がすべて見えたら満月の約6倍の幅に、まわりを包むガスまで見えたら満月の約100倍の幅になると、観測から計算されています。

3行でわかる

  1. NASAによると、アンドロメダ銀河の見かけの幅は満月の約6倍(約3度)。肉眼で見えるのは、光が集まった中心付近が中心で、外側は暗くて夜空にまぎれる。
  2. 銀河のまわりには、まばらな星が少なくとも約100万光年先まで広がっている。見えたとすれば、空での幅は満月の約80倍になる(SEADICEの計算)。
  3. さらに外を包むガスは、約130万光年先まで広がる。2015年のNASAの発表では、見えたとすれば満月の直径の約100倍。ただし、どこまでを銀河のものとするかの端は、まだはっきりしない。

01 わかっていることアンドロメダ銀河は空でどれくらいの大きさ?

NASAによると、アンドロメダ銀河の見かけの幅は満月の直径の約6倍、約3度です。ただし肉眼で見えるのは、光が集まった中心付近が中心です。

アンドロメダ銀河は、地球から約250万光年の所にある、天の川銀河のとなりの大きな銀河です[1][6]。明るさは約3等級で、暗い場所なら肉眼で見えます[1]。

それなのに、満月の6倍もの大きさには見えません。銀河の明るさが、中心から外へ行くほど急に暗くなるからです[2]。中心から離れた円盤は、夜空そのものの明るさとの差が小さくなり、目では見分けにくくなります。

つまり「もし明るく見えたら」は、銀河の暗い外側まで目に見えたら、という意味です。ここからは、観測でわかった広がりを、空での大きさに直していきます。

02 どうやってわかったのか見えない外側の広がりはどう測ったの?

暗い外側の星は、星を1つずつ数える大規模な観測で地図にしました。目に見えないガスは、ずっと奥にある明るい天体の光が吸収される様子から見つけました。

わかっているCourteau ほか(2011年、The Astrophysical Journal)[2]

アンドロメダ銀河の光は、中心のふくらみが約23%、円盤が約73%、外側のハローが約4%でした。円盤の明るさは、中心から約5.3キロパーセク(約1万7000光年)離れるごとに、約37%(e分の1)に下がります。

どうやって: スピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線の画像と、地上の望遠鏡の画像、暗い星の数え上げをつないで、中心から外までの明るさの変わり方を調べました。

わかっているIbata ほか(2014年、The Astrophysical Journal)[3]

アンドロメダ銀河のまわりには、まばらな星の広がり(星のハロー)があります。その密度の減り方は、中心から3万パーセクから30万パーセク(約100万光年)まで、ほぼ同じ割合で続いていました。

どうやって: カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡の大規模な観測(PAndAS)で、銀河のまわりの広い空の星を1つずつ写し、地図にしました。

わかっているLehner ほか(2015年・2020年、The Astrophysical Journal)/NASA・ESA[4][5]

2015年の研究は、18個のクエーサーの光を使い、銀河を包むガスが約100万光年先まであることを示しました。2020年の研究は43個に増やし、ガスは約130万光年、場所によっては約200万光年まで広がるとしました。

どうやって: ガスは光らないので、奥にあるクエーサー(とても明るい遠くの天体)の光がガスを通るとき、決まった色だけ暗くなる様子をハッブル宇宙望遠鏡で調べました。NASAは2015年に、このガスが見えたら満月の直径の約100倍、腕を伸ばして持ったバスケットボール2個分の空を覆うと説明しています[4]。

03 数字と例えでいうと見えたら満月の何倍になる?

写真に写る円盤は満月の約6倍、まばらな星のハローまで見えたら約80倍、ガスまで見えたら約100倍です。ガスは地平線から地平線までの約3分の1を覆う大きさです。

もし見えたら中心からの広がり空での幅(満月の何倍か)
写真に写る銀河の円盤―約3度、満月の約6倍[1]
まばらな星のハロー約30万パーセク(約100万光年)[3]約43度、満月の約80倍(計算)
銀河を包むガス約130万光年[5]約55度、満月の約100倍(計算)。NASAの2015年の説明も約100倍[4]

計算は、距離を約76万1000パーセク[6]、満月の直径を約0.5度として、SEADICEが三角形の角度で出しました。たとえばガスは、中心から約40万パーセク(約130万光年)の広がりなので、空での幅は約55度です。

地平線から反対の地平線までは180度です。55度はその約3分の1にあたります。秋の空の大きな部分が、うっすら覆われる計算です。

ただし、本当にそう見えることはありません。星のハローは銀河全体の光の約4%しかなく[2]、ガスはそもそも光りません。アンドロメダ銀河がこの先近づいてくるのか、ぶつかるのかは、アンドロメダ銀河の衝突の記事にあります。

04 まだわかっていないことアンドロメダ銀河の端はどこまでなの?

アンドロメダ銀河の端は、まだはっきり決まっていません。外側ほど星もガスも薄くなり、天の川銀河や周りのガスとの境目を見分けるのが難しくなるからです。

05関連する記事

06よくある質問

アンドロメダ銀河は満月の何倍の大きさに見える?

NASAによると、アンドロメダ銀河の見かけの幅は満月の直径の約6倍(約3度)です。ただしこれは写真に写る円盤の大きさで、肉眼でぼんやり見えるのは、ふつう光が集まった中心付近です。

アンドロメダ銀河は肉眼で見える?

見えます。NASAは、暗い場所なら肉眼で簡単に見え、光害がそれほど強くない場所でも見えるとしています。明るさは約3等級で、見ごろは秋、特に11月です。

アンドロメダ銀河のガスのハローとは?

銀河のまわりを包む、目に見えない薄いガスです。ハッブル宇宙望遠鏡が、奥にあるクエーサー(とても明るい遠くの天体)の光がガスに吸収される様子から見つけました。約130万光年、場所によっては200万光年先まで広がっています。

アンドロメダ銀河までの距離は?

約250万光年です。2021年にハッブル宇宙望遠鏡で55個のセファイド(明るさが周期的に変わる星)を測った研究では、約76万1000パーセクと、誤差1.5%ほどで求められています。

出典

  1. NASA. Messier 31 (The Andromeda Galaxy)(距離約250万光年・見かけの等級3.1・満月の約6倍の大きさ). https://science.nasa.gov/mission/hubble/science/explore-the-night-sky/hubble-messier-catalog/messier-31/
  2. Courteau, S., Widrow, L. M., McDonald, M., et al. (2011). The Luminosity Profile and Structural Parameters of the Andromeda Galaxy. The Astrophysical Journal 739, 20. https://doi.org/10.1088/0004-637X/739/1/20
  3. Ibata, R. A., Lewis, G. F., McConnachie, A. W., Martin, N. F., et al. (2014). The Large-scale Structure of the Halo of the Andromeda Galaxy. I. Global Stellar Density, Morphology and Metallicity Properties. The Astrophysical Journal 780, 128. https://doi.org/10.1088/0004-637X/780/2/128
  4. Lehner, N., Howk, J. C., Wakker, B. P. (2015). Evidence for a Massive, Extended Circumgalactic Medium Around the Andromeda Galaxy. The Astrophysical Journal 804, 79. https://doi.org/10.1088/0004-637X/804/2/79 / NASA (2015). Hubble Finds Giant Halo Around the Andromeda Galaxy. https://science.nasa.gov/missions/hubble/hubble-finds-giant-halo-around-the-andromeda-galaxy/
  5. Lehner, N., Berek, S. C., Howk, J. C., Wakker, B. P., et al. (2020). Project AMIGA: The Circumgalactic Medium of Andromeda. The Astrophysical Journal 900, 9. https://doi.org/10.3847/1538-4357/aba49c / ESA/Hubble (2020). Hubble Maps a Giant Halo Around the Andromeda Galaxy. https://esahubble.org/images/opo2046a/
  6. Li, S., Riess, A. G., Busch, M. P., Casertano, S., et al. (2021). A Sub-2% Distance to M31 from Photometrically Homogeneous Near-infrared Cepheid Period–Luminosity Relations Measured with the Hubble Space Telescope. The Astrophysical Journal 920, 84. https://doi.org/10.3847/1538-4357/ac1597