星座と星空

星座はいくつあるのか、88星座は誰がどう決めたのか

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オリオン座の中にあるオリオン大星雲
Photo: Astrofalls / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

星座は全部で88個あります。でも、昔から88個だったわけではありません。国や星図によって星座の数も境目もばらばらだったものを、1922年から1930年にかけて、世界の天文学者の集まりが1つにまとめました。

3行でわかる

  1. 星座の数は88。1922年、国際天文学連合(IAU、世界の天文学者の団体)の第1回総会で、88の名前とアルファベット3文字の略号が決まった。
  2. 境界線はベルギーのデルポルトが案を出し、1928年の総会で採択、1930年の本で確定した。線は空の経線・緯線にあたる赤経・赤緯に沿って引かれ、空のどの点もどれか1つの星座に入る。
  3. 88のうち50は、2世紀のプトレマイオスがまとめた48星座から来ている(アルゴ座が3つに分かれたため)。残りの38は後の時代に加わった(国立天文台の一覧から数えた)。

01 わかっていること星座は全部でいくつあるの?

星座は全部で88個です。1922年にIAUが88の名前と略号を決め、1930年に境界線が確定しました。今の星座は「星を結んだ形」ではなく、空を88に分けた「区画」として決められています。

IAU(国際天文学連合)は、世界の天文学者がつくる団体です。1922年にローマで開いた第1回総会で、全天をおおう88の星座の一覧に合意しました[1]。それぞれにラテン語名と3文字の略号(オリオン座ならOri)が付いています[1][3]。

大事なのは、IAUにとって星座は「境界で囲まれた空の区画」だということです[1]。北斗七星や夏の大三角のように、星座とは別に広く知られた星のならびは「アステリズム」と呼ばれ、88星座には入りません[1]。北斗七星は、おおぐま座という区画の一部です(北斗七星の星までの距離も参考に)。

国立天文台によると、88星座の日本語名は、学術研究会議(今の日本学術会議)が考えて決めました[2]。

02 どうやってわかったのか88星座と境界線はどうやって決まったの?

名前は1922年の総会で合意され、境界線はベルギー王立天文台のデルポルトが1925年に案を出し、1928年に採択、1930年の本で確定しました。線は1875年の時点の赤経・赤緯に沿って引かれています。

わかっている国際天文学連合(1922年、第1回総会)[1][2]

1919年に発足したIAUは、ばらばらだった星座を整理することを最初の仕事の1つにしました。1922年の総会で、全天をおおう88星座の名前と略号に合意しました。この時点では、まだ境界線は決まっていませんでした。

どうやって: 各国の天文学者が総会で話し合い、名前と略号を一覧にしました。

わかっているデルポルト(1925〜1930年、IAU)[1][3]

ブリュッセルのベルギー王立天文台のウジェーヌ・デルポルトが、1925年のケンブリッジ総会で境界線の案を出しました。1928年のライデン総会で採択され、1930年に本『Délimitation Scientifique des Constellations(星座の科学的な境界)』と星図として出されました。

どうやって: 線は赤経・赤緯(空にかぶせた経線・緯線)に沿って引かれました。明るさが変わる星(変光星)がそれまでの星座から出ないようにという条件があったため、ところどころ変な形の境界になりました[1]。

わかっているRoman(1987年、Publications of the Astronomical Society of the Pacific)[4]

1930年の境界線は、1875年の時点の座標(1875.0年分点)で決められています。ある天体がどの星座にあるかを調べるには、その位置を1875年の座標に直してから、境界の表と比べます。

どうやって: 1930年に出た境界のリストを電子データにして、位置から星座をすぐ探せる表と、座標を直すプログラムをつけて公開しました。

わかっているVerbunt・van Gent(2012年、Astronomy & Astrophysics)[5]

88星座のもとになったプトレマイオスの星表は、紀元137年を基準にした星表で、古代の終わりから中世まで星の位置のもとになりました。48星座に分けて、1028の項目(星)が載っています。

どうやって: プトレマイオスの『アルマゲスト』の星表を電子データにし、人工衛星ヒッパルコスが測った今の星の位置と比べて、精度を確かめました。

03 数字と例えでいうといちばん大きい星座と小さい星座は?

いちばん大きいのはうみへび座で約1303平方度、いちばん小さいのはみなみじゅうじ座で約68平方度です。大きさは約19倍ちがいます。88星座の面積を足すと、全天の約4万1253平方度になります。

項目値身近な例えでいうと
星座の数88[1]都道府県(47)の2倍に近い数
名前と略号が決まった年1922年[1][3]約100年前
境界線が確定した年1930年(1928年に採択)[1][3]名前が決まってから8年後
いちばん大きい星座うみへび座 1302.844平方度[6]全天の約3.2%。満月(見かけの直径を約0.5度として約0.2平方度)約6600個分(計算)
いちばん小さい星座みなみじゅうじ座 68.447平方度[6]満月約350個分。うみへび座はその約19倍(計算)
全天の広さ88星座の合計 約4万1253平方度[6]球の全体の広さ(4π×(180/π)²)とぴったり合う(計算)
プトレマイオスの48星座から来た星座50(47はそのまま、アルゴ座が3つに分かれた)[7]88のうち約57%。残りの38は後の時代に加わった(一覧から数えた)

48星座のうちアルゴ座(船の星座)は、今はりゅうこつ座・とも座・ほ座の3つに分かれています[7]。プトレマイオスの48星座に、大航海時代より後に南の空を中心に加えられた星座を合わせたものが、今の88星座です[2]。神話の由来は星座の神話はどこから来たのかで詳しく書いています。

04 まだわかっていないこと星座について、まだわかっていないことは?

88星座の名前や境界は決まっていますが、星座の絵がいつ・どこで最初に生まれたかは、はっきりしていません。プトレマイオスより前の星表がどんなものだったかも、まだ調べている途中です。

05関連する記事

06よくある質問

星座は全部でいくつあるの?

88個です。1922年に国際天文学連合(IAU)が88の名前と3文字の略号に合意し、1930年に境界線が確定しました。

88星座は誰がいつ決めたの?

国際天文学連合(IAU)が決めました。1922年の第1回総会で名前と略号に合意し、ベルギー王立天文台のデルポルトが出した境界線の案を1928年に採択、1930年の本で確定しました。

北斗七星は星座なの?

星座ではありません。北斗七星は、おおぐま座の一部の星のならびで、IAUは星座と別のこうしたならびを「アステリズム」と呼んでいます。

いちばん大きい星座といちばん小さい星座は?

いちばん大きいのはうみへび座(約1303平方度)、いちばん小さいのはみなみじゅうじ座(約68平方度)です。国立天文台の一覧によります。

出典

  1. International Astronomical Union. The Constellations (Astronomy FAQs). https://www.iau.org/IAU/IAU/Astronomy-FAQs/Constellations.aspx
  2. 国立天文台(2022). 88星座と国際天文学連合. https://www.nao.ac.jp/news/blog/2022/20220809-constellation.html
  3. 国立天文台. 星座名・星座略符一覧(星座名順). https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html
  4. Roman, N. G. (1987). Identification of a Constellation from a Position. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 99, 695. https://doi.org/10.1086/132034
  5. Verbunt, F., van Gent, R. H. (2012). The star catalogues of Ptolemaios and Ulugh Beg. Astronomy & Astrophysics 544, A31. https://doi.org/10.1051/0004-6361/201219596
  6. 国立天文台. 星座名・星座略符一覧(面積順). https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation3.html
  7. 国立天文台暦計算室. こよみ用語解説 星座の名前. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/constellations.html
  8. Rogers, J. H. (1998). Origins of the ancient constellations: I. The Mesopotamian traditions. Journal of the British Astronomical Association 108, 9–28. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1998JBAA..108....9R/abstract
  9. Gysembergh, V., Williams, P. J., Zingg, E. (2022). New evidence for Hipparchus’ Star Catalogue revealed by multispectral imaging. Journal for the History of Astronomy 53, 383–393. https://doi.org/10.1177/00218286221128289