宇宙探査

国際宇宙ステーションはいつまで使われるのか

約7分で読めます

地球を背に飛ぶ国際宇宙ステーション
Photo: NASA / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

国際宇宙ステーション(ISS)には、2000年11月から人が住み続けています。その宇宙ステーションに、終わりの予定があることをご存じでしょうか。2026年10月時点の予定と、まだ決まっていないことを分けて書きます。予定は、これからも変わる可能性があります。

3行でわかる

  1. 2026年10月時点のNASAの予定では、国際宇宙ステーションは2030年に運用を終える。日本・カナダ・ヨーロッパも2030年までの参加を決めている。
  2. 運用のあとは、NASAがスペースXに発注した専用の宇宙船で押し下げ、人の住む場所を避けて海に落とす計画になっている。
  3. 2032年まで延ばす法案が米議会の委員会を通ったが、2026年10月20日時点で法律にはなっていない。後を継ぐ民間の宇宙ステーションが間に合うかも決まっていない。

01 わかっていること国際宇宙ステーションはいつまで使われるの?

2026年10月時点の予定では、2030年までです。アメリカ・日本・カナダ・ヨーロッパは2030年まで、ロシアは少なくとも2028年まで運用を続けると約束しています。

国際宇宙ステーションは、5つの宇宙機関・15か国が運用する、地球のまわりを回る実験施設です[2]。2000年11月から、宇宙飛行士が交代しながら住み続けています[2]。体への影響の研究も、ここで進みました(宇宙に長くいると体はどうなるのか)。

NASAは2024年6月26日、2030年に運用を終えたあとの片付けに使う宇宙船を、スペースXに発注したと発表しました[1]。同じ発表で、アメリカ・日本・カナダ・ヨーロッパ宇宙機関は2030年まで、ロシアは少なくとも2028年まで運用を続けると書かれています[1]。

日本は2022年11月18日、2030年までの運用延長に参加すると政府が発表しました[3]。日本の実験棟「きぼう」も、それまで使われる予定です。

02 どうやってわかったのか終わったあと、宇宙ステーションはどうなるの?

専用の宇宙船で少しずつ高度を下げ、人の住む場所を避けて海に落とす計画です。そのあとは、民間の会社が作る宇宙ステーションをNASAが借りて使う形になる見込みです。

わかっているNASA(2024年)[1]

宇宙ステーションを落とすための宇宙船「USデオービット・ビークル」を、スペースXが作ります。契約は最大8億4300万ドルです。

どうやって: NASAの公式発表です。宇宙ステーションは重さ約420トンと大きいため[2]、人の住む場所への危険を避けられるよう、制御しながら落とすとしています。

わかっている文部科学省(2026年8月)[4]

NASAは2026年3月、後を継ぐ民間ステーションの計画を大きく変えました。NASAが中心の部分(コアモジュール)を買って持ち、まず国際宇宙ステーションにつなぎ、民間の部分をつないだあとで切り離して単独で飛ばす案です。

どうやって: 文部科学省の委員会資料です。これまでは民間に完全に任せる方針でしたが、NASAが関わり続ける形に変わったと整理しています。背景として、市場の伸びが鈍いことやNASAの予算不足が挙げられています。2026年7月6日には調達の案(ドラフトRFP)が出されました。

有力な仮説Zeaら(2024年、npj Microgravity)[7]

NASAの民間ステーション計画は、国際宇宙ステーションの終わりで宇宙での研究が途切れないようにすることが目的です。計画中のステーション「オービタル・リーフ」は、最初の1つの部屋で、国際宇宙ステーションの与圧部(空気のある部分)の約3分の1の広さを目指しています。

どうやって: 計画を進める側の研究者による解説論文です。まだ打ち上げ前の設計の話で、実際にその通りになるかはこれからです。

有力な仮説Hester(2017年、New Space)[8]

民間の宇宙ステーションが、NASAの直接の支えなしに2020年代半ばまでに成り立つのは難しい、と論じました。国際宇宙ステーションを延ばす場合と比べて検討すべきだとしています。

どうやって: NASAと産業界の計画を政策の面から分析した論文です。1人の著者の見方です。

03 数字と例えでいうと国際宇宙ステーションはどれくらい大きいの?

重さは約420トン、端から端まで約109メートルあります。2030年に終わる予定なら、人が住み続けた期間は約30年になります。

項目値身近な例えでいうと
重さ約419.7トン[2]重さ1トンの車が約420台分(計算)
長さ約109メートル[2]NASAによると、アメリカンフットボールの競技場(エンドゾーンを含む)より1ヤード短いくらい
空気のある部分の体積約1005立方メートル[2]1辺10メートルの立方体と同じくらい(計算)
人が住み続けている期間2000年11月から[2]2030年まで続けば約30年(計算)
運用終了の予定まで2030年[1]2026年10月から約4年(計算)
落とすための宇宙船の契約最大8億4300万ドル[1]1ドル150円とすると約1260億円(計算)

04 まだわかっていないことまだ決まっていないことは?

2030年より延びるのか、後を継ぐ民間ステーションが間に合うのか、ロシアが2028年より先も参加するのかは、2026年10月時点で決まっていません。

05関連する記事

06よくある質問

国際宇宙ステーションはいつまで使われるの?

2026年10月時点のNASAの予定では、2030年までです。アメリカ・日本・カナダ・ヨーロッパは2030年まで、ロシアは少なくとも2028年まで運用を続けると約束しています。2032年まで延ばす法案もありますが、2026年10月20日時点で法律にはなっていません。

国際宇宙ステーションは最後どうなるの?

NASAがスペースXに発注した専用の宇宙船で高度を下げ、人の住む場所を避けて海に落とす計画です。NASAは2024年6月に、この宇宙船の契約(最大8億4300万ドル)を発表しました。

国際宇宙ステーションの後はどうなるの?

民間の会社が作る宇宙ステーションを、NASAが借りて使う形になる見込みです。NASAは2026年3月に計画を変え、NASAが中心の部分を持ち、まず国際宇宙ステーションにつなぐ案を出しました。どの会社が選ばれるかは、2026年10月時点でまだ決まっていません。

日本の「きぼう」はいつまで使われるの?

日本政府は2022年11月、国際宇宙ステーションの2030年までの運用延長に参加すると発表しました。「きぼう」も2030年まで使われる予定です。そのあとの方針は、文部科学省が検討を続けています。

出典

  1. NASA (2024). NASA Selects International Space Station US Deorbit Vehicle(2024年6月26日). https://www.nasa.gov/news-release/nasa-selects-international-space-station-us-deorbit-vehicle
  2. NASA. International Space Station Facts and Figures. https://www.nasa.gov/international-space-station/space-station-facts-and-figures/
  3. JAXA (2022). NASA and Japanese Government sign the Gateway Implementing Arrangement, Japan extends ISS Participation to 2030(2022年11月22日). https://humans-in-space.jaxa.jp/en/news/detail/002655.html
  4. 文部科学省 研究開発局 (2026). ポストISSにかかる最新動向について(ISS・国際宇宙探査小委員会 資料、2026年8月27日). https://www.mext.go.jp/content/20260827-mxt_uchukai01-000051666_002.pdf
  5. U.S. Congress. S.933 - NASA Transition Authorization Act(審議の経過、2026年10月20日確認). https://www.congress.gov/bill/119th-congress/senate-bill/933
  6. SpacePolicyOnline (2026). Senate Committee Clears New NASA Authorization Bill, Calls for Moon Base(2026年3月4日). https://spacepolicyonline.com/news/senate-committee-clears-new-nasa-authorization-bill-calls-for-moon-base/
  7. Zea, L., Warren, L., Ruttley, T., Mosher, T., et al. (2024). Orbital Reef and commercial low Earth orbit destinations—upcoming space research opportunities. npj Microgravity 10, 43. https://doi.org/10.1038/s41526-024-00363-x
  8. Hester, Z. (2017). After the International Space Station: National Aeronautics and Space Administration, Industry, and the Future of Commercial Spaceflight in Low-Earth Orbit. New Space 5, 33–44. https://doi.org/10.1089/space.2016.0015
  9. U.S. Government Accountability Office (2026). The Next Outpost: NASA's Plans for Replacing the Aging International Space Station(2026年6月23日、GAO-26-107805). https://www.gao.gov/blog/next-outpost-nasas-plans-replacing-aging-international-space-station