宇宙探査

宇宙ゴミはどれくらいあるのか、ぶつかるとどうなるのか

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国際宇宙ステーションから撮影された宇宙ゴミ
Photo: NASA Johnson Space Center / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

地球のまわりには、使い終わった衛星やロケット、その破片が回り続けています。ESA(欧州宇宙機関)の推定では、1cmより大きいものだけで約150万個を超えます。小さな破片でも、秒速約10kmでぶつかれば衛星を壊します。そして壊れた衛星が、また新しいゴミになります。

3行でわかる

  1. ESAの推定(2026年2月時点)では、10cmより大きい物体が約6万8450個、1〜10cmが約150万個、1mm〜1cmが約2億3000万個ある。
  2. 宇宙ゴミは平均で秒速約10kmでぶつかる。直径1cmのアルミの玉でも、1トンの車が時速約43kmでぶつかるほどのエネルギーになる(計算)。
  3. ぶつかってできた破片が次の衝突を起こす連鎖が心配されている。どこまで進むのか、どう取り除くかは、まだ決着していない。

01 わかっていること宇宙ゴミはどれくらいあるの?

ESAの推定(2026年2月時点)では、10cmより大きい物体が約6万8450個、1〜10cmが約150万個、1mm〜1cmが約2億3000万個あります。数は増え続けています。

宇宙ゴミ(スペースデブリ)は、地球を回っている人工物のうち、もう役に立っていないものです。使い終わった衛星、ロケットの上の段、爆発や衝突でできた破片などがあります。

ESAは2026年9月に、2025年末までのデータをまとめた報告書を出しました[1][2]。2025年には300回を超える打ち上げで、4000機を超える衛星などが宇宙に運ばれました。今では1日に約10機のペースで新しい衛星が増えています[2]。

一方で、壊れていない衛星やロケットが、平均で1日3個以上、大気に落ちて燃えています[2]。地上の望遠鏡やレーダーで追跡できている物体は、2024年末で約4万個ありました[3]。

この記事の数字の時点は3つあります。大きさごとの数の推定はESAのモデルの2026年2月時点、打ち上げや落下の数は2025年末までのデータ(2026年9月発行の報告書)、追跡できている物体の数は2024年末時点です。

02 どうやってわかったのか宇宙ゴミの危険は、どうやってわかったの?

大きなゴミはレーダーなどで追跡し、小さなゴミは観測をもとにしたモデルで数を推定しています。ゴミが連鎖して増える危険は、1978年から計算で予測されてきました。

有力な仮説ケスラーら(1978年、Journal of Geophysical Research)[5]

衛星が増えると衝突が起き、その破片がさらに衝突を起こして、地球のまわりにゴミの帯ができると予測しました。条件によっては20世紀のうちに帯ができ始め、21世紀には大きな問題になるとしました。

どうやって: 衝突の起きやすさを数式のモデルで計算しました。この連鎖は今、ケスラーシンドロームと呼ばれています。

有力な仮説LiouとJohnson(2006年、Science)[6]

2004年12月より後に何も打ち上げなかったとしても、高さ200〜2000kmの10cm以上のゴミは2055年ごろから増え始めると計算しました。今後200年で、平均約18回の衝突が起きると見積もっています。

どうやって: NASAのモデル(LEGEND)で、未来の衝突と爆発を何通りも計算しました。実際には打ち上げが続くので、著者らは状況はもっと悪くなるはずだと書いています。

わかっているESA宇宙デブリ室(2026年、年次報告書)[1]

過去20年、事故による破砕(衛星やロケットが壊れて破片をまき散らすこと)は平均で年に9.8回起きていました。2024年には、主に燃料まわりの故障による破砕で、追跡できる破片が3000個以上増えました。

どうやって: 米国やロシアなどの追跡データを集めて数えました。1cm前後の小さなゴミは追跡できないため、ESAのモデル(MASTER)で推定しています。

わかっているJAXAとアストロスケール社(2024年、JAXA発表)[7]

ゴミを取り除く実証の第1段階で、衛星ADRAS-Jが、2009年に打ち上げられたH-IIAロケットの上の段に約50mまで近づき、周りを回って撮影しました。

どうやって: 2024年7月15日と16日に観測しました。撮影した部分は、次の段階でつかまえる予定の場所です。実際につかまえて取り除くことは、まだこれからです。

03 数字と例えでいうと宇宙ゴミはどれくらい速くて、どれくらい危ないの?

宇宙ゴミは平均で秒速約10kmでぶつかります。この速さだと、直径1cmのアルミの玉でも、1トンの車が時速約43kmでぶつかるのと同じくらいのエネルギーを持ちます。

項目値身近な例えでいうと
10cmより大きい物体約6万8450個(うち動いている衛星約1万1300機)[1]6個に1個ほどが動いている衛星(計算)
1〜10cmのゴミ約150万個[1]ほとんどは追跡できない
1mm〜1cmのゴミ約2億3000万個[1]日本の人口の約2倍(計算、1億2000万人として)
ぶつかる速さ平均で秒速約10km、最大で秒速約15km[4]時速約3万6000km(計算)
直径1cmのアルミの玉重さ約1.4g、秒速10kmで約7万ジュール(計算)1トンの車が時速約43kmでぶつかるのと同じくらい(計算)
落ちてくるまでの時間600kmより下は数年、800kmは数百年、1000kmより上は1000年以上[4]高い軌道のゴミは、人の一生よりずっと長く残る

アルミの玉は、密度を1立方cmあたり2.7gとして、体積0.52立方cm×2.7g≒1.4gと計算しました。エネルギーは「重さ×速さ×速さ÷2」で、0.0014kg×(1万m/秒)²÷2≒7万ジュールです。同じエネルギーを1トンの車で出すには、秒速約12m(時速約43km)が必要です。

国際宇宙ステーションは、これまで飛んだ中で最も厚く守られた宇宙船です。NASAによると、大事な部分は直径1cmまでのゴミに耐えられます。追跡できるゴミとぶつかる確率が1万分の1を超えると、よけるために動きます[4]。宇宙で暮らす人の体の変化は、宇宙に長くいると体はどうなるのかにまとめています。

04 まだわかっていないこと宇宙ゴミについて、まだ謎なのは?

小さなゴミの本当の数はわかっていません。ゴミの連鎖がいつ、どこまで進むのか、どうやって取り除くのかも、まだ決着していません。

05関連する記事

06よくある質問

宇宙ゴミはどれくらいある?

ESAのモデルによる推定(2026年2月時点)では、10cmより大きいものが約6万8450個(動いている衛星約1万1300機を含む)、1〜10cmが約150万個、1mm〜1cmが約2億3000万個です。地上から追跡できているのは約4万個です(2024年末時点)。

宇宙ゴミがぶつかるとどうなる?

NASAによると、宇宙ゴミはほかの物に平均で秒速約10kmでぶつかります。計算すると、直径1cmのアルミの玉でも、1トンの車が時速約43kmでぶつかるのと同じくらいのエネルギーになります。衛星が壊れて、新しいゴミが生まれることもあります。

ケスラーシンドロームとは何?

宇宙ゴミどうしがぶつかってできた破片が、さらに別の衝突を起こし、ゴミが連鎖的に増えていくことです。1978年にケスラーらが予測しました。ESAは、新しい打ち上げがなくても宇宙ゴミは増え続けるという点で、研究者の考えは一致していると説明しています。

宇宙ゴミはいつか落ちてくる?

低い軌道のものは、空気のわずかな抵抗で少しずつ落ちて燃え尽きます。NASAによると、高さ600kmより下なら数年、800kmでは数百年、1000kmより上では1000年以上回り続けます。ESAによると、壊れていない衛星やロケットが平均で1日3個以上、大気に戻っています。

出典

  1. ESA Space Debris Office (2026). ESA’s Annual Space Environment Report, Issue 10.1(2026年9月8日発行、2025年末までのデータ). https://www.sdo.esoc.esa.int/environment_report/Space_Environment_Report_I10R1_20260908.pdf
  2. ESA (2026). ESA Space Environment Report 2026. https://www.esa.int/Space_Safety/Space_Debris/ESA_Space_Environment_Report_2026
  3. ESA (2025). ESA Space Environment Report 2025. https://www.esa.int/Space_Safety/Space_Debris/ESA_Space_Environment_Report_2025
  4. NASA Orbital Debris Program Office. Frequently Asked Questions(2026年10月に確認). https://orbitaldebris.jsc.nasa.gov/faq/
  5. Kessler, D. J., Cour-Palais, B. G. (1978). Collision frequency of artificial satellites: The creation of a debris belt. Journal of Geophysical Research 83, 2637–2646. https://doi.org/10.1029/JA083iA06p02637
  6. Liou, J.-C., Johnson, N. L. (2006). Risks in Space from Orbiting Debris. Science 311, 340–341. https://doi.org/10.1126/science.1121337
  7. JAXA (2024). Commercial Removal of Debris Demonstration Phase I: ADRAS-J fly-around observation. https://global.jaxa.jp/press/2024/07/20240730-1_e.html