宇宙探査

人はまた月に行くのか、アルテミス計画でわかっていること

約5分で読めます

アルテミス2の宇宙船から撮影した日食(2026年4月)
Photo: NASA / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

人が最後に月を歩いたのは、1972年のアポロ17号です。それから54年後の2026年4月、アルテミス2の4人が月の裏側を回り、人類がいちばん遠くまで行った記録を塗り替えました。NASAは次に、2028年の早い時期に月の南極近くへの着陸を目指しています。ただし、これは予定で、これまでも何度か変わってきました。

3行でわかる

  1. 2026年4月1日〜10日、アルテミス2の4人が月の裏側を回って帰還した。地球から最も遠いところで約40万6800km離れ、人類の最遠記録になった。
  2. NASAは2026年2月に計画を見直し、2027年のアルテミス3は地球を回る試験に、最初の月面着陸はアルテミス4で2028年の早い時期を目標にした(2026年10月時点の予定)。
  3. 着陸の目的地は月の南極近く。日の当たらないくぼ地に水の氷があることが観測でわかっている。日本人にも月面着陸の機会が2回予定されている(2026年10月時点)。

01 わかっていること人はまた月に行くの?

行く計画が進んでいます。2026年4月に4人が月を回って戻り、NASAは2028年の早い時期に月面着陸を目指しています。ただし日付は予定です。

アルテミス計画は、NASAが中心になって人をもう一度月に送る計画です。アポロ計画では12人が月を歩き、最後は1972年12月に打ち上げられたアポロ17号でした[6]。

2026年4月1日、アルテミス2が米国フロリダから打ち上げられました。NASAの3人とカナダ宇宙庁の1人が宇宙船オリオンに乗り、月の裏側を回って、4月10日に太平洋に着水しました[1]。月には降りていません。

NASAは2026年2月27日に計画を見直しました[3]。2027年のアルテミス3は、地球を回る軌道で、月に降りるための着陸船とのドッキングを試します。最初の着陸はアルテミス4で、2028年の早い時期を目指しています[5]。

02 どうやってわかったのかアルテミス2では何がわかって、なぜ南極をめざすの?

アルテミス2では、人を乗せた宇宙船で月まで行って戻れることを確かめました。南極をめざすのは、日の当たらないくぼ地に水の氷があると観測でわかったからです。

わかっているNASA アルテミス2(2026年、NASA発表)[1][2]

4人は地球から最も遠いところで25万2756マイル(約40万6800km)離れました。1970年のアポロ13号の記録を超え、人類の最遠記録です。月面には最も近いところで約4067マイル(約6500km)まで近づきました。

どうやって: 大型ロケットSLSで宇宙船オリオンを打ち上げ、約10日間飛び、カリフォルニア州サンディエゴの沖に着水しました。

わかっているColapreteら(2010年、Science)[9]

月の南極にある、日光が当たり続けないくぼ地カベウスの土には、重さで約5.6%(誤差±2.9%)の水の氷が含まれると見積もられました。

どうやって: 2009年10月9日、使い終わったロケットをくぼ地にぶつけ、舞い上がったちりを、後ろから飛んできた探査機LCROSSで調べました。見えた範囲の水は約155kgでした。

わかっているLiら(2018年、PNAS)[10]

月の北極と南極の、日光が当たらない場所の表面に、水の氷がむき出しになっているところが見つかりました。ただし、氷が見えたのは、とても冷たい場所の約3.5%だけでした。

どうやって: 月を回る探査機の観測装置(M3)で、氷に特有の赤外線の吸収を探しました。直接届く日光でなく、まわりの地形で跳ね返った光を使いました。

03 数字と例えでいうとこれまでとこれからの予定は?

アポロ17号から54年後にアルテミス2が月を回りました。2026年10月時点の公式の予定では、試験が2027年、最初の着陸が2028年の早い時期です。

いつ何をする(した)状況(2026年10月時点)
1972年12月アポロ17号。最後に人が月を歩いた[6]終わった
2026年4月1日〜10日アルテミス2。4人が月の裏側を回って帰還[1]終わった
2027年アルテミス3。地球を回る軌道で、ブルーオリジン社とスペースX社の着陸船の試験機とドッキング。約2週間[4]予定。乗員4人は2026年6月に発表
2028年の早い時期アルテミス4。4人のうち2人が月の南極近くに降り、約1週間活動[5]予定。使う着陸船は2026年10月時点で公式には未発表
2031年(目標)日本の与圧ローバ(人が宇宙服なしで乗れる月面の車)の打ち上げ[8]開発中

アルテミス2の最遠距離は、25万2756マイル×1.609≒40万6800kmと計算しました。カベウスの土1トンに約5.6%の氷が含まれるとすると、水は約56kgです(計算)。ただし誤差が大きく、場所によっても違います[9][10]。

日本は2024年4月に米国と取り決めを結びました。日本が与圧ローバを作って運用し、NASAは日本人宇宙飛行士に月面着陸の機会を2回用意します[7]。ローバは2人が乗れ、10年間の運用を目指しています[8]。

04 まだわかっていないこと月に行く計画で、まだ決まっていないことは?

着陸が本当に2028年にできるか、どの着陸船を使うか、日本人がいつ行くかは決まっていません。月の氷がどれだけ使えるかもわかっていません。

05関連する記事

06よくある質問

アルテミス計画で人は月に着陸したの?

2026年10月時点では、まだ着陸していません。2026年4月のアルテミス2では、4人の宇宙飛行士が月の裏側を回って地球に戻りました。NASAは、最初の着陸をアルテミス4で2028年の早い時期に目指しています。予定は変わることがあります。

アルテミス3は月に着陸しないの?

しません。NASAは2026年2月に計画を見直し、アルテミス3を2027年に地球を回る軌道で行う試験飛行に変えました。月に降りるための着陸船と宇宙船オリオンがドッキングできるかを、地球の近くで確かめます。

日本人は月に行くの?

2024年4月の日米の取り決めで、NASAは将来のアルテミス計画で日本人宇宙飛行士に月面着陸の機会を2回用意するとしました。日本は人が乗れる月面の車(与圧ローバ)を作り、2031年の打ち上げを目指しています。どのミッションで行くかは決まっていません。

なぜ月の南極をめざすの?

月の南極には、日光が一度も当たらない冷たいくぼ地があり、水の氷があることが観測でわかっているためです。2009年の観測では、南極のくぼ地の土に重さで約5.6%の水の氷が含まれると見積もられました。

出典

  1. NASA (2026). NASA Welcomes Record-Setting Artemis II Moonfarers Back to Earth. https://www.nasa.gov/news-release/nasa-welcomes-record-setting-artemis-ii-moonfarers-back-to-earth/
  2. NASA (2026). NASA’s Artemis II Crew Eclipses Record for Farthest Human Spaceflight. https://www.nasa.gov/news-release/nasas-artemis-ii-crew-eclipses-record-for-farthest-human-spaceflight/
  3. NASA (2026). NASA Adds Mission to Artemis Lunar Program, Updates Architecture(2026年2月27日). https://www.nasa.gov/news-release/nasa-adds-mission-to-artemis-lunar-program-updates-architecture/
  4. NASA (2026). NASA Marches Toward Artemis III Mission in 2027, Names Crew Members(2026年6月9日). https://www.nasa.gov/news-release/nasa-marches-toward-artemis-iii-mission-in-2027-names-crew-members/
  5. NASA. Artemis IV(2026年10月に確認). https://www.nasa.gov/mission/artemis-iv/
  6. NASA. Apollo 17. https://www.nasa.gov/mission/apollo-17/
  7. 文部科学省 (2024). 国際宇宙探査(与圧ローバによる月面探査の実施取決めの署名について). https://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/space/jigyou/detail/1347482_00017.html
  8. JAXA 有人宇宙技術部門 (2025). 有人与圧ローバ研究開発の進捗状況(文部科学省 宇宙開発利用部会 資料、2025年9月29日). https://www.mext.go.jp/content/20250929-mxt_uchukai01-000045059_005.pdf
  9. Colaprete, A., Schultz, P., Heldmann, J., et al. (2010). Detection of Water in the LCROSS Ejecta Plume. Science 330, 463–468. https://doi.org/10.1126/science.1186986
  10. Li, S., Lucey, P. G., Milliken, R. E., et al. (2018). Direct evidence of surface exposed water ice in the lunar polar regions. Proceedings of the National Academy of Sciences 115, 8907–8912. https://doi.org/10.1073/pnas.1802345115