流れ星とは何か、流星群が毎年同じ日に来る理由

流れ星の正体は、砂つぶから小石ほどの宇宙のチリです。それが秒速数十キロで大気に飛び込み、一瞬で光ります。ペルセウス座流星群は8月13日ごろ、ふたご座流星群は12月14日ごろと、毎年ほぼ同じ日にやって来ます。なぜ日付が決まっているのでしょうか。
3行でわかる
- 流れ星は、直径1ミリから数センチほどのチリが大気に飛び込んで光る現象。NASAの観測では、ペルセウス座流星群の流れ星の多くは高さ約90kmで燃えつきる。
- 流星群は、彗星などがまき散らしたチリの帯を地球が通り抜けるときに起きる。地球が帯を横切る日は毎年ほぼ同じなので、同じ時期にやって来る。
- ふたご座流星群のもとは彗星ではなく小惑星フェートンだが、どうやってチリを出したのかはまだ決着していない。
01 わかっていること流れ星の正体は何?
流れ星は、宇宙を漂う直径1ミリから数センチほどのチリが、猛スピードで地球の大気に飛び込み、高温になって光る現象です。星が落ちてくるわけではありません。
国立天文台によると、チリが大気に飛び込むと激しくぶつかって高温になり、気体になったチリと大気が光を放ちます[4]。NASAは、流星群のチリの多くは砂つぶからエンドウ豆ほどの大きさだと説明しています[9]。
光るのは地上からかなり高いところです。NASAが2台のカメラでペルセウス座流星群を測ったところ、大きめの流れ星の多くは高さ約90kmで消え、高いものは104km、低いものでも76kmでした[10]。飛行機が飛ぶ高さ(約10km)の10倍ほど上です。
ほとんどのチリは燃えつきますが、大気を通り抜けて地面まで落ちたものは隕石と呼ばれます[9]。もっと大きな天体がぶつかった例が、恐竜を絶滅させた小惑星です。
02 どうやってわかったのか流星群はなぜ毎年同じ日に来るの?
彗星が太陽に近づくたびに残したチリは、彗星の通り道に沿って帯のように広がります。地球が1年で太陽を回るとき、その帯を横切る日は毎年ほぼ同じなので、流星群も同じ時期にやって来ます。
国立天文台は、流星群を「彗星が軌道上に放出したチリの粒の集団に地球が近づき、そのチリが大量に大気へ飛び込んでくる現象」と説明しています[4]。地球が彗星の軌道を横切る日時はほぼ毎年決まっているため、特定の時期に特定の流星群が現れます。
流星群の流れ星は、空の1点から放射状に飛び出すように見えます。この点を放射点といい、放射点がある星座の名前で「○○座流星群」と呼びます[4]。線路に立って遠くを見ると平行なレールが1点に集まって見えるのと同じで、同じ向きに飛んでくるチリが、遠近の見え方で1点から出てくるように見えるのです。
わかっているNASA(ペルセウス座流星群・しし座流星群)[6][8]
ペルセウス座流星群のもとはスイフト・タットル彗星です。核の直径は約26kmで、133年かけて太陽を1周し、最後に地球のそばへ戻ったのは1992年です。しし座流星群のもとのテンペル・タットル彗星は約33年で1周し、そのころに流れ星がとても多くなる年があります。
どうやって: 流れ星の通り道を複数の場所から観測して軌道を計算し、知られている彗星の軌道と重なるものを探して、もとの天体を突きとめています。
有力な仮説JewittとLi(2010年、The Astronomical Journal)[2]
ふたご座流星群のもとの小惑星フェートンが、太陽にいちばん近づいたとき、急に2倍に明るくなりました。チリを一気に出したと考えられます。太陽に近づくと岩が熱でひび割れてチリができる「岩石彗星」ではないか、と提案しました。
どうやって: NASAの太陽観測衛星STEREO-Aで、2009年6月に太陽のそばを通るフェートンを撮影しました。ただし、このとき出たチリは流星群全体の約1万分の1の量でした。
わかっているLoveとBrownlee(1993年、Science)[1]
地球に降ってくる小さなチリ(1ミリより小さいもの)は、1年に約4万トン(誤差±2万トン)でした。最も多いのは直径0.2mmほどのチリでした。
どうやって: 宇宙に長く置かれた人工衛星LDEFの表面に、チリがぶつかってできた小さな穴を数えて、チリの量と大きさを求めました。
03 数字と例えでいうと主な流星群はいつ、どれくらい見えるの?
三大流星群は、1月4日ごろのしぶんぎ座、8月13日ごろのペルセウス座、12月14日ごろのふたご座です。暗い空で見たときの予想は、多いときで1時間に30〜60個ほどです。
| 流星群 | いちばん多い日(極大) | 1時間の数の目安 | もとの天体 |
|---|---|---|---|
| しぶんぎ座 | 1月4日ごろ[5] | 30個[5] | 国立天文台の一覧には記載なし |
| ペルセウス座 | 8月13日ごろ[5] | 40個[5] | スイフト・タットル彗星[6] |
| オリオン座 | 10月21日ごろ[5] | 10個[5] | ハレー彗星[5] |
| しし座 | 11月18日ごろ[5] | 4個[5] | テンペル・タットル彗星[5] |
| ふたご座 | 12月14日ごろ[5] | 60個[5] | 小惑星フェートン[7] |
1時間の数は、国立天文台が示す、日本で極大のころに十分暗い空(5.5等星まで見え、月明かりや薄明かりがない空)で見た場合の予想です[5]。条件のよい空での目安で、その年の月明かりや街明かりなどで変わり、数分の1以下になることもあります[5]。極大の日は年によって1〜2日ずれることがあります。
| 項目 | 値 | 身近な例えでいうと |
|---|---|---|
| ペルセウス座流星群の速さ | 秒速59km[6] | 時速300kmの新幹線の約700倍(計算) |
| ふたご座流星群の速さ | 秒速35km[7] | ペルセウス座の約6割の速さ(計算) |
| 地球が太陽を回る速さ | 秒速29.78km[11] | チリに向かって地球のほうも突っこんでいく |
| 地球に降るチリの量(NASA) | 1日に約44トン[9] | 1年にすると約1万6000トン(計算) |
04 まだわかっていないこと流れ星について、まだ謎なのは何?
ふたご座流星群のもとのフェートンがどうやって大量のチリを出したのか、地球に毎年どれだけのチリが降るのかは、まだはっきりしていません。流星群ともとの天体の組み合わせにも、調べ切れていないものが多くあります。
- フェートンはどうやってチリを出したのか2009年に観測されたチリの量では、流星群を保つには1周ごとに約10回の同じような噴き出しが必要です[2]。今のチリの出し方と、流星群ができた昔の出来事は別のものかもしれない、という見方もあります。
- 流星群のもとの天体はどれか小惑星のように見えるのにチリを出す天体や、活動を終えかけた彗星が、流星群のもとになっている例が見つかっています。Ye(2018年)は、確かそうな組み合わせの多くが、まだくわしく調べられていないとまとめています[3]。
- 地球に毎年どれだけのチリが降るのかLDEFの測定では1年に約4万トン[1]、NASAの説明では1日約44トン(1年に約1万6000トン)と、見積もりには2倍以上の差があります[9]。LDEFの値にも±2万トンの幅があり、決まった値はまだありません。
05関連する記事
06よくある質問
流れ星は何でできているの?
流れ星のもとは、宇宙を漂う直径1ミリから数センチほどのチリです。国立天文台によると、チリが大気に高速で飛び込んで高温になり、気体になったチリと大気が光ります。多くは彗星がまき散らしたチリです。
流星群はなぜ毎年同じ日に見えるの?
彗星が残したチリは、彗星の通り道に沿って帯のように広がっています。地球は1年で太陽を1周し、その帯を毎年ほぼ同じ日に横切るため、同じ時期に同じ流星群が現れます。極大の日は年によって1〜2日ずれることがあります。
流れ星はどれくらいの高さで光っているの?
NASAがペルセウス座流星群を2台のカメラで測ったところ、大きめの流れ星の多くは高さ約90kmで消え、高いものは104km、低いものでも76kmでした。飛行機が飛ぶ高さの約10倍上です。
いちばん多く流れ星が見られる流星群は?
国立天文台の予想では、暗い空で極大のころに見た場合、ふたご座流星群が1時間に約60個と最も多く、ペルセウス座流星群が約40個、しぶんぎ座流星群が約30個です。この3つは三大流星群と呼ばれます。
出典
- Love, S. G., Brownlee, D. E. (1993). A Direct Measurement of the Terrestrial Mass Accretion Rate of Cosmic Dust. Science 262, 550–553. https://doi.org/10.1126/science.262.5133.550
- Jewitt, D., Li, J. (2010). Activity in Geminid Parent (3200) Phaethon. The Astronomical Journal 140, 1519–1527. https://doi.org/10.1088/0004-6256/140/5/1519
- Ye, Q. (2018). Meteor showers from active asteroids and dormant comets in near-Earth space: A review. Planetary and Space Science 164, 7–12. https://doi.org/10.1016/j.pss.2018.04.018
- 国立天文台. 流星群とは. https://www.nao.ac.jp/astro/basic/meteor-shower.html
- 国立天文台. 主な流星群. https://www.nao.ac.jp/astro/basic/major-meteor-shower.html
- NASA Science. Perseids. https://science.nasa.gov/solar-system/meteors-meteorites/perseids/
- NASA Science. Geminids. https://science.nasa.gov/solar-system/meteors-meteorites/geminids/
- NASA Science. Leonids. https://science.nasa.gov/solar-system/meteors-meteorites/leonids/
- NASA Science. Meteors and Meteorites: Facts. https://science.nasa.gov/solar-system/meteors-meteorites/facts/
- NASA Watch the Skies (2010). How Low Can They Go? https://www.nasa.gov/blogs/watch-the-skies/2010/08/12/how-low-can-they-go
- NASA Goddard Space Flight Center. Earth Fact Sheet. https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/earthfact.html


