太陽系

うるう年とうるう秒は何のためにあるのか、地球の回り方と時計のずれ

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宇宙から見た地球
Photo: NASA/NOAA/GSFC/Suomi NPP/VIIRS/Norman Kuring / Public domain / Wikimedia Commons
AIによる調査論文と公的機関の資料をAIが調べ、内容を確かめて整理しました(出典は末尾)。

うるう年とうるう秒は、どちらも「地球の動き」と「暦や時計」のずれを直すためのしくみです。うるう年は、地球が太陽を1周する時間が365日ちょうどではないために入れる1日。うるう秒は、地球の自転が原子時計ほど正確ではないために入れる1秒です。うるう秒は、2035年までにやめる方向で国際的に決まっています。

3行でわかる

  1. 地球が太陽を1周するのは約365.2422日。暦は365日なので、毎年約6時間ずつずれる。これを4年に1度の2月29日で直すのがうるう年。
  2. うるう秒は、原子時計の時刻と地球の自転のずれが0.9秒を超えないように入れる1秒。1972年から2017年1月1日までに27回入った。
  3. 2022年の国際会議(国際度量衡総会)で、2035年までにずれの許容範囲を広げ、うるう秒をほぼ入れないことが決まった。

01 わかっていることうるう年はなぜ4年に1度なの?

地球が太陽を1周する時間(1太陽年)は約365.2422日で、365日より約0.2422日(約6時間)長いからです。4年たつとほぼ1日分ずれるので、4年に1度、2月29日を足します。

ただし4年に1度だと、1年を365.25日として数えることになり、少し足しすぎます。そこで今のグレゴリオ暦では、100で割り切れる年はうるう年にせず、400で割り切れる年だけはうるう年にします[5]。

この決まりだと400年に97回のうるう年が入り、平均の1年は365.2425日になります[5]。2000年はうるう年で、2100年はうるう年になりません。

グレゴリオ暦は1582年にできました。それまでのユリウス暦のずれを直すため、1582年10月4日の次の日を10月15日にして、10日を飛ばしました。日本では1873年(明治6年)から使っています[5]。

02 どうやってわかったのかうるう秒は誰がどうやって決めているの?

うるう秒は、地球の回り方を観測する国際機関IERS(国際地球回転・基準系事業)が、半年ごとに入れるかどうかを決めて発表します。2026年7月の発表では、2026年12月末には入れないとされました。

わかっているStephenson, Morrison, Hohenkerk(2016年、Proceedings of the Royal Society A)[1]

紀元前720年から2015年までの記録を調べると、1日の長さは平均して100年に約1.8ミリ秒(1000分の1.8秒)ずつ長くなっていました。数十年から数百年ごとの増減もあります。

どうやって: 古代・中世の日食や月食の記録と、1600年以降に月が星を隠した時刻の記録を集め、地球の自転の速さを逆算しました。潮の満ち引きだけから予想される値(100年に約2.3ミリ秒)より小さいこともわかりました。

わかっているNelson ら(2001年、Metrologia)[2]

うるう秒が必要なのは、原子時計の「1秒」が、1820年ごろの1日の長さ(86400秒)に合わせて決められたからです。今の地球の1日は、それより平均でわずかに長くなっています。

どうやって: 時刻の決め方の歴史とうるう秒の制度を整理した論文です。協定世界時(UTC、世界の時計の基準)は原子時計で刻み、地球の自転による時刻との差を0.9秒以内に保っています。

わかっている情報通信研究機構(NICT)、IERS[3][4]

うるう秒は1972年7月1日から2017年1月1日までに27回、すべて1秒を足す形で入りました。原子時計だけで刻む国際原子時とUTCの差は、1972年の10秒から37秒に広がりました。2017年以降は入っていません。

どうやって: 日本では最後のうるう秒のとき、2017年1月1日の午前8時59分59秒と9時00分00秒のあいだに「8時59分60秒」を入れました(NICTの発表)。

有力な仮説Agnew(2024年、Nature)[6]

最近の地球は自転がわずかに速まっており、初めて1秒を「引く」うるう秒が2029年ごろに必要になるかもしれないと見積もりました。極の氷がとけて重さが赤道側へ動くと自転が遅くなるため、その時期が約3年遅れたとしています。

どうやって: 地球の自転の観測と、氷がとけることによる重さの移り方を組み合わせて計算しました。将来の見積もりであり、1秒を引くうるう秒はまだ一度も行われていません。

03 数字と例えでいうと暦や時計はどれくらいずれるの?

暦を365日のままにすると、4年で約1日、100年で約24日ずれます。今のグレゴリオ暦でも1日ずれるまで3000年以上かかる程度で、ほぼ太陽の動きに合っています。

決め方平均の1年1日ずれるまで(計算)
いつも365日365日約4年(1年に約6時間ずれる)
ユリウス暦(4年に1度うるう年)365.25日約128年。325年から1582年までに約10日ずれた
グレゴリオ暦(今の暦)365.2425日[5]3000年以上[5]

1太陽年を365.2422日として計算しました。ユリウス暦では1年に約0.0078日ずつ暦が進みすぎ、1257年で約9.8日たまります。グレゴリオ暦の制定で10日を飛ばしたのは、このずれを戻すためでした(計算)。

うるう秒のほうは、仮に1日が86400秒より1000分の2秒長い日が続くと、1年で約0.73秒ずれる計算です。0.9秒を超える前に1秒を入れる、というのがうるう秒の考え方です。実際の自転は年によって速くも遅くもなるので、入れる間隔は決まっていません。

04 まだわかっていないことうるう秒をやめた後、時計と地球のずれはどうする?

2035年までにうるう秒をほぼ入れないことは決まりましたが、ずれをどこまで認めるか、最後にどう直すかは、まだ決まっていません。地球の自転がこの先どう変わるかも正確には予想できません。

05関連する記事

06よくある質問

うるう年はなぜあるの?

地球が太陽を1周する時間は約365.2422日で、365日より約6時間長いからです。そのままだと暦と季節が少しずつずれるので、4年に1度2月29日を足して直します。100で割り切れる年は平年、400で割り切れる年はうるう年にして、さらに細かく合わせています。

2100年はうるう年?

2100年はうるう年ではありません。今のグレゴリオ暦では、4で割り切れても100で割り切れる年は平年にします。ただし400で割り切れる年はうるう年なので、2000年はうるう年でした。

うるう秒は廃止されたの?

2022年の国際度量衡総会で、2035年までに原子時計と地球の自転のずれの許容範囲を広げることが決まりました。少なくとも100年はうるう秒を入れずに続けられる値を決める方針で、事実上うるう秒をやめる決定とされています。最後のうるう秒は2017年1月1日です。

うるう秒は誰が決めている?

地球の回り方を観測する国際機関IERS(国際地球回転・基準系事業)が、半年ごとに入れるかどうかを発表します。日本では情報通信研究機構(NICT)が、その決定に合わせて日本標準時に1秒を入れてきました。

最後のうるう秒はいつ?

2017年1月1日です。日本時間では午前8時59分59秒と9時00分00秒のあいだに「8時59分60秒」が入りました。1972年から数えて27回目で、その後は入っていません。

出典

  1. Stephenson, F. R., Morrison, L. V., Hohenkerk, C. Y. (2016). Measurement of the Earth's rotation: 720 BC to AD 2015. Proceedings of the Royal Society A 472, 20160404. https://doi.org/10.1098/rspa.2016.0404
  2. Nelson, R. A., McCarthy, D. D., Malys, S., Levine, J., Guinot, B., Fliegel, H. F., Beard, R. L., Bartholomew, T. R. (2001). The leap second: its history and possible future. Metrologia 38, 509–529. https://doi.org/10.1088/0026-1394/38/6/6
  3. 情報通信研究機構(NICT)日本標準時グループ. うるう秒実施日一覧. https://jjy.nict.go.jp/QandA/data/leapsec.html
  4. IERS Earth Orientation Center. Bulletin C 72(2026年7月6日). https://datacenter.iers.org/data/latestVersion/bulletinC.txt
  5. 国立天文台 暦計算室. 暦Wiki「グレゴリオ暦」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5B0A5ECA5B4A5EAA5AACEF1.html
  6. Agnew, D. C. (2024). A global timekeeping problem postponed by global warming. Nature 628, 333–336. https://doi.org/10.1038/s41586-024-07170-0
  7. BIPM. Resolution 4 of the 27th CGPM (2022): On the use and future development of UTC. https://www.bipm.org/en/cgpm-2022/resolution-4